こんなロボットとなら恋に落ちてもいいか?
インターネット会社でプログラマーとして働くケイブ(ドーナル・グリーソン)は、社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に1週間滞在するチャンスを得る。ケイブは人里離れた山荘で、美しい女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィカンダー)に組み込まれた人工知能のテストに協力することになるが…。
英国人監督アレックス・ガーランドのデビュー作。山荘付近のロケはノルウェーで行われたらしいが、その他は、ほぼ4人の登場人物による室内劇風のドラマが展開していく。
アカデミー賞で視覚効果賞を得たスタイリッシュなビジュアルと、脚本賞にノミネートされた巧みなストーリーテリング(人間と人工知能の駆け引き)が融合し、摩訶不思議な世界を現出させることに成功している。それほど金はかけずとも、良いアイデアを生かすことさえできればSF映画の佳作を作ることは可能なのだと改めて感じさせられた。
ヴィカンダーが妖しい魅力を発散し、こんなロボットとなら恋に落ちてもいいかと思わせる。そこがこの映画のテーマであり、怖さでもある。一作ごとに見た目が異なるカメレオン俳優アイザックも面目躍如の怪演を見せる。