良く出来たほら話を聞かされたような気分になる
破産寸前の探鉱者(マシュー・マコノヒー)と落ち目の地質学者(エドガー・ラミレス)が、インドネシアの山奥で巨大な金鉱を発見する。と、実話を基にした、どん底から金鉱を掘り当てた男たちのサクセスストーリーかと思いきや、物語は終盤にあっと驚く展開を見せる。何と170億ドル相当の金が一夜にして消えてしまったのだ…。
スティーブン・ギャガンが、山師による一獲千金話を、ジョン・ヒューストンの『黄金』(48)や『王になろうとした男』(75)にも通じる、男のロマン、夢の挫折、祭りの後の空しさを切り口にして、テンポ良くまとめているので、良く出来たほら話を聞かされたような気分になる。ヒューストンの時代と違うのは、金鉱ビジネスや投資の実態を並行して描いているところか。そこがこの映画のユニークなところだ。
1980年代独特の胡散臭さを漂わせたマコノヒー、ラミレスの好演に加えて、脇役として懐かしいステイシー・キーチとクレイグ・T・ネルソンの顔が見られたのもうれしかった。