『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
後期高齢者応援ムービー
『ジーサンズ はじめての強盗』
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https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1114493
先日見た『ローガン/ROGAN』のガソリンスタンドのシーンで、懐かしの「アイ・ガッタ・ネーム」が流れた。
最近ではタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)でも使われたこの曲は、もともとはジェフ・ブリッジス主演の『ラスト・アメリカン・ヒーロー』(73)のテーマ曲だった。
https://www.youtube.com/watch?v=9NXe-QuyBMg
歌っているジム・クロウチは、なかなか芽が出ず、建設現場などで働いた苦労人。やっと歌手として注目され始めた矢先の1973年9月20日、大学でのコンサートに向かうために乗っていた小型飛行機が墜落し、相棒のギタリスト、モーリー・ミューライゼンらと共に、30歳の若さでこの世を去った。
その事実については、翌年、ラジオ関東の「全米トップ40」で、湯川れい子さんが、クロウチの「タイム・イン・ア・ボトル」が全米1位になったことを伝える際に教えてくれた。
確か「もし瓶の中に時間を貯めておくことができるなら…」と歌う「タイム・イン・ア・ボトル」と、「だから僕は、歌にたくして愛しているって言うんだよ」と歌う「歌にたくして=I'll Have To Say I Love You In A Song 」の詩の内容を紹介しながらだったので、何だか悲しくなって余計に記憶に残った覚えがある。
つまり、オレたちがジム・クロウチの曲に接したのは、彼が亡くなった後だったのだ。それは、同時期に『燃えよドラゴン』(73)を見た際に、すでにブルース・リーが亡くなっているのを知った衝撃と悲しさにも通じるものがあった。
この二つの出来事は、当時、いたいけな?中学生だった自分に、少しばかり人生の無常や不条理を感じさせたのかもしれない。
今、改めて映像を見ると、クロウチに影のように寄り添うミューライゼンがいい味を出していると感じてちょっと切なくなる。
https://www.youtube.com/watch?v=YcqauC49Xmc
ジムの息子のA.J.クロウチは、幼いころに病気で視力を失ったそうだが、フリスクのCMに使われた「Hung Up (On You)」などでミュージシャンとして活躍しているという。
https://www.youtube.com/watch?v=kK8geObqyfg