「ジェントル・オン・マイ・マインド」、「恋はフェニックス」、「ウイチタ・ラインマン」、「カミング・ホーム」(コカ・コーラのCMで親しんだ)、「ラインストーン・カウボーイ」(シングルレコードを買った)、「哀愁の南」…。カントリーの枠を超えた“いい曲”をたくさん歌ったシンガーだった。
ところで、以前「ジョン・ウェイン映画を彩る音楽」というコラムを雑誌に書いたことがある。調べる中で、ウェインは後期の映画で人気歌手と共演することが多かったことに気付いた。
例えば、『リオ・ブラボー』(59)ではディーン・マーティンとリッキー・ネルソン、『アラスカ魂』(60)ではフェビアン、『アラモ』(60)ではフランキー・アバロン、そして『勇気ある追跡』(69)ではキャンベルといった具合に。
その中から、マーティンの「ライフルと愛馬」、ジョニー・ホートンの「アラスカ魂」、ブラザース・フォーの「遥かなるアラモ」といったヒット曲も生まれた。
中でも、キャンベルが「ワン・デー・リトル・ガール~」と歌い、アカデミー賞の歌曲賞候補にもなった「勇気ある追跡=トゥルー・グリット」(作詞ドン・ブラック、作曲エルマー・バーンスタイン)は好きな曲だ。ウェインを讃えるショーではテーマ曲のように扱われていた。
https://www.youtube.com/watch?v=8qyxA38zsZU
ところで、キャンベルは『勇気ある追跡』ではこの主題歌に加えて、テキサス・レンジャーのラブーフ役を演じた。最後は自らの命を賭してコグバーン(ウェイン)とマティ(キム・ダービー)の命を救うという儲け役だった。
リメーク版の『トゥルー・グリット』(10)ではマット・デイモンが同じ役を演じている。もちろん巧さという点ではプロのデイモンの方が上だが、キャンベルもなかなかいい味を出していたと思う。