以前、よく原稿を書かせていただいた『ビッグイシュー日本版』。最新号(335号)のスペシャルインタビューはポール・マッカートニーだった。
ポールが「16歳の自分」をテーマに、ジョンや、曲作り、家族、そして“不思議な夢”について語っている。
リンゴが歌った「ユア・シックスティーン」にポールが参加していたことを思い出した。
NHK日曜美術館「東京の原風景~夭折(ようせつ)の絵師・井上安治が描いた明治」を見る。
明治10年代の東京の姿をリアルに描き出した、知られざる明治東京名所絵のシリーズがある。描いたのは、26歳で夭折した絵師、井上安治。“光線画”で名高い小林清親に弟子入りし、江戸伝来の浮世絵とは全く異なる新時代の風景版画、134点のシリーズを生み出した。
杉浦日向子が安治をテーマにした『Yasuji東京』という漫画を残している。その中で安治の絵の特徴を、安藤広重や師匠の清親の絵と比べながら解き明かしてるという。早速読んでみた。
「広重描く「名所江戸百景」には、わくわくするような異郷の香りがする。ときには上空はるかから、あるいは地面に這って、ガリバー旅行記(おとぎばなし)のように町を見せる。(中略)安治の絵は実際に見たままの暗さを思わせます。総じて清親の絵は動きがあり劇的で、映画のワンシーンのように甘やかで切ない。安治のは拍子抜けするほど淡々とし、渋い色調にもかかわらず、画面は湿り気ない奇妙な明るさに満ちている。安治が対象に冷ややかだったのではなく、それが彼のやり方だった。清親は芸術家たらんと欲したが、安治はたぶん、自分のことを画工だと思っていただろう」
卓見である。この人も若くして亡くなったが、その時に「きっと江戸時代にタイムスリップしたのだろう」と言われたものだ。
写真でも、絵葉書でもない、安治の静謐な風景画に魅せられた。
明治10年代の東京の姿をリアルに描き出した、知られざる明治東京名所絵のシリーズがある。描いたのは、26歳で夭折した絵師、井上安治。“光線画”で名高い小林清親に弟子入りし、江戸伝来の浮世絵とは全く異なる新時代の風景版画、134点のシリーズを生み出した。
杉浦日向子が安治をテーマにした『Yasuji東京』という漫画を残している。その中で安治の絵の特徴を、安藤広重や師匠の清親の絵と比べながら解き明かしてるという。早速読んでみた。
「広重描く「名所江戸百景」には、わくわくするような異郷の香りがする。ときには上空はるかから、あるいは地面に這って、ガリバー旅行記(おとぎばなし)のように町を見せる。(中略)安治の絵は実際に見たままの暗さを思わせます。総じて清親の絵は動きがあり劇的で、映画のワンシーンのように甘やかで切ない。安治のは拍子抜けするほど淡々とし、渋い色調にもかかわらず、画面は湿り気ない奇妙な明るさに満ちている。安治が対象に冷ややかだったのではなく、それが彼のやり方だった。清親は芸術家たらんと欲したが、安治はたぶん、自分のことを画工だと思っていただろう」
卓見である。この人も若くして亡くなったが、その時に「きっと江戸時代にタイムスリップしたのだろう」と言われたものだ。
写真でも、絵葉書でもない、安治の静謐な風景画に魅せられた。