『アンダーニンジャ』(2025.1.4.オンライン試写)
太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者組織」の解体だった。だが忍者たちは消滅せず、彼らは世界中のあらゆる機関に潜伏し、現代社会でも暗躍を続けていた。
忍者組織「NIN(ニン)」の末端に所属する雲隠九郎(山﨑賢人)は、暇を持て余していたある日、重大な任務を言い渡される。それは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、「アンダーニンジャ」と呼ばれる組織の動向を探るというものだった。
『アイアムアヒーロー』などで知られる花沢健吾の同名コミックを実写映画化。監督、脚本は福田雄一。忍者たちの戦いに巻き込まれていく野口彩花を浜辺美波が演じ、間宮祥太朗、白石麻衣、岡山天音、山本千尋、宮世琉弥、坂口涼太郎、平田満、木南晴夏、長谷川忍らに加えて、福田作品常連のムロツヨシ、佐藤二朗も登場する。
原作のコミックは未読なので、どこまでが福田監督の“暴走”なのかは分からないが、『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』同様に、意味のない、笑うに笑えない内輪受けのシーンがダラダラと続くのには閉口させられた(特に佐藤二朗とムロツヨシがひどい)。というか、これはもう苦痛に近いレベルだ。前半のコメディ部分で萎えたので、いくら後半のアクションで頑張っても、アンバランスさを感じさせられるだけ。
『新解釈・三國志』(20)に続いて、東宝が年末年始の映画としてこの監督の作品を2本も公開する意図が分からない。ほかにもっと映画を撮らせるべき監督がいるのではないかと思ってしまう。