田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ビガイルド 欲望のめざめ』

2018-02-18 12:01:12 | 新作映画を見てみた
今回の方がおとなしく見えたのは意外



 南北戦争下、7人の女性が暮らす南部の寄宿学校に、負傷した北軍兵士(コリン・ファレル)が紛れ込んで波紋を生む。

 ドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜』(71)を、ソフィア・コッポラが再映画化。女たちの隠された欲望、嫉妬の怖さを見せるという点では、今回の方がおとなしく見えたのは、ちょっと意外な気がした。前作の方が淫靡な感じに見えたのは、あくまで男(シーゲル)が、男目線で撮ったからだったのか。

 校長役のニコール・キッドマンはさすがだが、相棒教師役のキルスティン・ダンストがいささか期待外れで、ファレルも役不足の感があった。ライティングに凝った撮影、華やかな衣装などにソフィアの面目が施されている。
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【ほぼ週刊映画コラム】『今夜、ロマンス劇場で』

2018-02-17 14:37:10 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

綾瀬はるかをいかに美しく、魅力的に見せるかに力を込めた
『今夜、ロマンス劇場で』



詳細はこちら↓

https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1141025

『カイロの紫のバラ』
については↓

http://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e802cddf18da9329aee2a248b37257a6
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『リメンバー・ミー』

2018-02-16 10:19:44 | 新作映画を見てみた
盆と同じなんだな



 ミュージシャン志望の少年ミゲルを主人公に、亡き人とのつながりを大切にするメキシコの“死者の日”の精神を核にした、家族の絆を描く。

 リー・タンクリッチ監督が「私たちは、ずっと後の時代になっても、自分が子孫にとって大切な存在であり続けていると思いたい、という共通の願いを持っている。今回は、思い出を持ち続けることがいかに大切か、ということを描きたかった」と語るように、盆とも共通する精神が描かれるだけに、日本人にも親しみやすいストーリーになっている。

 カラフルな死者の世界と、耳に残るテーマ曲『リメンバー・ミー』が印象的。原題の「ココ」はミゲルのひいおばあちゃんの名前で、映画を見れば「なるほど」と思えるが、今回は珍しく邦題の方がいい。

 詳細は後ほど。
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青梅の映画看板師逝く

2018-02-15 09:10:24 | 雄二旅日記

 映画看板師の「板観さん」こと久保昇さんが亡くなった。板観さんは、青梅の街おこしとしてたくさんの映画看板を描いて掲げた人。
 古い宿場町の風情が残る青梅の街とレトロな映画看板が見事にマッチして、一時は大きな話題となったが、最近は撤去も話題に上っているというから寂しいものがある。
 過日、青梅を訪れた際に、あまりの素晴らしさに興奮して写真を撮りまくった。決して瓜二つではないのだけれど、独特の味がある看板たちは、遠目から見た方がいい。

 何とか保存、存続できないものだろうか。

  

 

  

 

 

コメント (2)
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『傷だらけの映画史 ウーファからハリウッドまで』(山田宏一、蓮實重彦)

2018-02-14 06:05:01 | ブックレビュー
 図書館で見付けた一冊。山田宏一氏と蓮實重彦氏の対談形式で、日のあたらない映画が語られていく。元本は88年発行。未公開だった映画がビデオで見られるようになったことで生まれた本と言ってもいいだろう。



1.傷だらけのハリウッド―ウォルター・ウェンジャーの映画史
2.傷だらけの亡命―フリッツ・ラングと『暗黒街の弾痕』
3.傷だらけの映画術―アルフレッド・ヒッチコックと『海外特派員』
4.傷だらけの捜索者―ジョン・フォードと『果てなき船路』
5.傷だらけの巨匠―ヘンリー・ハサウェイと『砂丘の敵』
6.傷だらけの爆笑―エルンスト・ルビッチと『生きるべきか死ぬべきか』
7.傷だらけの諷刺―ルネ・クレールと『奥様は魔女』
8.傷だらけのメロドラマ―デトレフ・ジールクとダグラス・サークあるいはウーファからハリウッドへ

 あの蓮實氏が、山田氏のリードよろしく、映画について素直に語り、ただの映画好きのおっさんとしての本性を露呈させているのが面白い。こんなに映画が好きなのだったら、文章も普通に書けばいいものを…。
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『ファイヤードラゴン』

2018-02-13 18:39:48 | 映画いろいろ
インフルで寝込んだ時に見た映画、その2



 火山の噴火によって現代によみがえったドラゴンが人類を襲う。原題の「Dracano」はドラゴンと火山(ボルケーノ)を併せた造語なのか。火山から出てくる翼竜みたいな怪物のルーツは日本のラドンなのかな。見た目はガッパみたいだけど。

 さて、人類の一大事のはずなのに、緊張感が全くない。処理にあたるのは、学者一家と数人しかいない米軍の特殊部隊。そして、すったもんだの末の、あまりにもの解決法…。いやはや突っ込みどころ満載の“Z級”映画なのだが、何も考えたくない時には、こういう映画も必要なのだと思う。

 将軍役の、加藤一二三を強面にしたみたいなトロイ・エバンスは、実際に軍人としてベトナム戦争に従軍した経験があるらしい。人は見かけに寄らぬものだ。
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『パディントン2』

2018-02-12 10:39:35 | 新作映画を見てみた
『素晴らしき哉、人生!』じゃないか!



 ロンドンでブラウン家の一員として暮らすクマのパディントン。ペルーにいるルーシーおばさんの誕生日に、骨董屋で見付けた“飛び出す絵本”をプレゼントすることを思いつき、アルバイトに精を出す。ところが、ある夜、彼の目の前で絵本が盗まれ、窃盗犯として投獄されてしまう。

 人気シリーズの第二弾。前回は『メリー・ポピンズ』(64)のように、英国の普通の一家に紛れ込んだ異人が巻き起こす騒動と、互いの絆の構築を楽しく描いていたが、今回はその関係を、隣人たちや刑務所仲間にまで広げている。

 いまどき、真の悪人がいない、誰も不幸にならない話で、観客を思う存分楽しませるのは至難の業であるはずなのに、この楽しさはどうだという感じ。今回も前作以上に、見ながら幸せな気分になってくる。

 途中、チャップリンの『モダン・タイムス』(36)のパロディもあるが、ラストにフランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』(46)の“奇跡”を再現したところに、この映画が描こうとしている“幸福感”が象徴されているとも思えた。

 前回のニコール・キッドマンに続いて、今回もヒュー・グラントが敵役を嬉々として演じているのがミソ。サリー・ホーキンスはここでも『シェイプ・オブ・ウォーター』を披露する。“飛び出す絵本”を使ったロンドンの名所めぐり、SLを使ったチェイスシーンと“イギリスらしさ”をふんだんに盛り込んでいるのも良し。

前作『パディントン』(14)について書いたコラムは

https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1032689
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『ロープ/戦場の生命線』

2018-02-11 06:48:07 | 新作映画を見てみた
多国籍のキャストでつづる悲喜劇



 1995年、停戦直後のバルカン半島某所。ある日、村の共同井戸に死体が投げ込まれ、生活用水が汚染されてしまう。現地で活動する「国境なき水と衛生管理団」のメンバーは、死体を引き上げるための“ロープ”を手に入れるため、地雷が埋められた危険地帯をさまよう羽目になる。

 考えることよりも、まず行動することが要求される異常な状況下で繰り広げられる悲喜劇。管理団の報われない行為、それでも尽くす姿に、人生の不条理や空しさを感じるが、それだけに余計、マレーネ・ディートリッヒが歌う「花はどこへ行った」に乗せて映る、ラストシーンの“ちょっとした奇跡”が胸を打つ。

 ベニチオ・デル・トロ(プエルトリコ)、ティム・ロビンス(米)、オルガ・キュリレンコ(ウクライナ)、メラニー・ティエリー(仏)、フェジャ・ストゥカン(旧ユーゴ)という多国籍のキャストを起用して、スペイン人のフェルナンド・レオン・デ・アラノアが監督したユニークな作品だ。
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【ほぼ週刊映画コラム】『マンハント』

2018-02-10 17:06:49 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

あくまで“ジョン・ウーの世界”として見れば…
『マンハント』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1140292
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【ほぼ週刊映画コラム】『スリー・ビルボード』

2018-02-08 12:15:33 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

これは現代版の西部劇なのか…
『スリー・ビルボード』



詳細はこちら↓

https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1140012
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