僕らは昼食が済むと、友田はバイトへ、大井はこれから彼女の買い物に付き合うのだといって別れた。僕は午後の授業を受ける為、教室へ向かったが、教授の都合で休講になっていた。
ぽっかりと時間が空いてしまったが、こういう時の過ごし方も決まっていて、授業が無くなった天気の良い日はバイトに備えて屋上で昼寝をするのが常であった。
缶コーヒーを自販機で買って、屋上に向かって階段を上ってゆくと、階段を下りてくる何人かの学生が卒論のテーマで熱く議論していた。ああ、もうそんな季節なんだなと思いながら、屋上への扉を開けると、澄み渡る青空が一面に広がっていた。日差しは優しく、風もなく、穏やかで、気持ちの良い静かな午後であった。
僕は背伸びをして、友田の情報をもう一度考えようと、いつもくつろいでいるベンチへ足を向けると、その先には、空を見つめている「預言者」と呼ばれる彼女がいた。
一瞬目を疑ったが、間違いなく彼女だった。高鳴る鼓動に緊張が増した。しかし、ここで引き下がっては友田の情報も無になってしまう。勇気を出さねばと、自分に言い聞かせながら、ベンチに行き、床に缶コーヒーを置くと、リュックを枕にして仰向け寝転がった。すると・・・。
「あなた。そこのあなた!」と彼女が叫んだ。初めて聞く声だけれど、間違いなく彼女だ。僕は、びっくりして起き上がり、確認するふりをして、自身を指さした。
すると、彼女は、すごく通る声で、
「そう。あなたよ。今日、学食で私の事を話していたでしょう。」
ぽっかりと時間が空いてしまったが、こういう時の過ごし方も決まっていて、授業が無くなった天気の良い日はバイトに備えて屋上で昼寝をするのが常であった。
缶コーヒーを自販機で買って、屋上に向かって階段を上ってゆくと、階段を下りてくる何人かの学生が卒論のテーマで熱く議論していた。ああ、もうそんな季節なんだなと思いながら、屋上への扉を開けると、澄み渡る青空が一面に広がっていた。日差しは優しく、風もなく、穏やかで、気持ちの良い静かな午後であった。
僕は背伸びをして、友田の情報をもう一度考えようと、いつもくつろいでいるベンチへ足を向けると、その先には、空を見つめている「預言者」と呼ばれる彼女がいた。
一瞬目を疑ったが、間違いなく彼女だった。高鳴る鼓動に緊張が増した。しかし、ここで引き下がっては友田の情報も無になってしまう。勇気を出さねばと、自分に言い聞かせながら、ベンチに行き、床に缶コーヒーを置くと、リュックを枕にして仰向け寝転がった。すると・・・。
「あなた。そこのあなた!」と彼女が叫んだ。初めて聞く声だけれど、間違いなく彼女だ。僕は、びっくりして起き上がり、確認するふりをして、自身を指さした。
すると、彼女は、すごく通る声で、
「そう。あなたよ。今日、学食で私の事を話していたでしょう。」