家名(いえな)
家名と漢字で書くと家名(かめい)に傷が付くなどと由緒ある家の名前のように思いますが、今日私が書くのは、私の故郷で使われている家名(いえな)です。
家名(いえな)は屋号と勘違いしたり、一緒くたにしたりする人がいますが、元々は別の呼び名です。
1、家名(いえな)と屋号と両方ある家。
2、屋号があっても家名(いえな)が無い家。
3、家名(いえな)があっても屋号が無い家。
1は旧家で、商売等を営んでいた家
家長が名士だったりする
2は比較的新しい家や分家などで商売等をしていた家
3、旧家だが、商売等をしていなかった。婿養子をとった。子供がいなかった。分家したり、隠居したりした。場所が分かり易い所に家があった。等
私の生家は1で、家名(いえな)は隠居
屋号は丸亀
私の曾祖父の名前が亀吉と言いました。
家名(いえな)には地名や植物に由来するものが多いです。
坂の家。辻の家。
坂辻の家。上(かみ)の家。上上の家(うわっかみの家)。
川向こうの家。川端の家。
椎の木屋。しいのきやには椎の木の古木があります。
やまもの家。やまもの家には大きな山桃の木があります。
大家(おおや)。
隠居屋。
魚屋。酒屋。豆腐屋。ちゃわんや。よろずや。たがや。
ちゃわんやさんは、昔は茶碗を商っていたのでしょうか?
私が子供の頃は、駄菓子屋さんでした!
よろずやは雑貨屋さんでした!
たがやは桶のたがを作っていたそうです。
よごさんは与五さん
せいさんは清○さん
ニックネームみたいな愛称だったのでしょうね。
ややこしいことに、よごさんもせいさんもご先祖さんの名前ですので、そう言う名前の人はなくなっています。
魚屋は自転車屋さんに。
酒屋は、保険の代理店?に商売替え。
私の生家の隠居には、先祖の弟の分家があって、その家は隠居屋と言う家名で呼ばれています。
つまりその家の家名(いえな)は隠居の隠居屋です!
もちろんきちんとした屋号もありますよ…
2が一番多くて、昔からの家は大抵屋号を持っています。
屋号は大抵名前の一文字を取って、丸大とか、山庄とか付けました。
都会では、経営者の出身地の地名から名付けた屋号が多いですね……
三河屋。近江屋。甲州屋。越後屋。代表的な商人の出身地です。
家名(いえな)と屋号の違い解って頂けましたでしょうか!?