夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

私の声はカエルの声

2015-05-28 23:58:15 | 日記・エッセイ・コラム

 

                                      私の声はカエルの声

   私はひどい悪声です。

音大に進んだ同級生は「人間の声じゃない」とまで言いました。

どんな声か聞いてみたくなったでしょう。

カエルが風邪をひいたような声なのです。

声のため、幼いときから嫌な思いをしてきました。

 小5の時、「夕鶴」の劇で悪声のためなんの役も頂けなかった私は、母にГ何でこんな声に産んだのよ」と悪態をつきました。

 母は「手で作ったのなら、どんなにも丁寧に作ってあげたかったけど」と答えました。

以来、生まれてくる私の娘のため、何はなくとも声の良い男性と結婚したいと切望していました。

望みどおり、一目ぼれならぬГ一聞ぼれ」した人と2回しか合わないで結婚しました。

幸い子どもは男の子3人で、みんな人並みの声でホッと胸をなでおろしています。

 Гカエルの声」とからかわれてから40年、この声もまんざらでもないと思えることが、最近たくさんあります。

仕事の会合では一度で覚えていただけますし、お客様に電話した時、名乗らなくてもГあ、タンポポさん」と一言でわかって頂けます。

 私は度々の病気や事故で顔面まひの残る顔となり、外見がすっかり変わってしまいましたが、

何十年ぶりで会った旧友は声だけで「タンポポさん」と思い出してくれます。

これからはこの個性に感謝していこうと思います。

ありがとう、お母さん。

 

これは

      2004年3月11日  毎日新聞  女の気持ち    

 50才  自営   夢見るタンポポおばさん

つまり私が、11年前に書いた文章です。

 

 

    カエルの夫婦の木彫りの人形は、バリ島 ヒルトンホテルの出身です!

売り子が私に買うようにすすめました!

 どうやら私の悪声は、インドネシアバリ島でもカエルの声のように聞こえる??