私の声はカエルの声
私はひどい悪声です。
音大に進んだ同級生は「人間の声じゃない」とまで言いました。
どんな声か聞いてみたくなったでしょう。
カエルが風邪をひいたような声なのです。
声のため、幼いときから嫌な思いをしてきました。
小5の時、「夕鶴」の劇で悪声のためなんの役も頂けなかった私は、母にГ何でこんな声に産んだのよ」と悪態をつきました。
母は「手で作ったのなら、どんなにも丁寧に作ってあげたかったけど」と答えました。
以来、生まれてくる私の娘のため、何はなくとも声の良い男性と結婚したいと切望していました。
望みどおり、一目ぼれならぬГ一聞ぼれ」した人と2回しか合わないで結婚しました。
幸い子どもは男の子3人で、みんな人並みの声でホッと胸をなでおろしています。
Гカエルの声」とからかわれてから40年、この声もまんざらでもないと思えることが、最近たくさんあります。
仕事の会合では一度で覚えていただけますし、お客様に電話した時、名乗らなくてもГあ、タンポポさん」と一言でわかって頂けます。
私は度々の病気や事故で顔面まひの残る顔となり、外見がすっかり変わってしまいましたが、
何十年ぶりで会った旧友は声だけで「タンポポさん」と思い出してくれます。
これからはこの個性に感謝していこうと思います。
ありがとう、お母さん。
これは
2004年3月11日 毎日新聞 女の気持ち
50才 自営 夢見るタンポポおばさん
つまり私が、11年前に書いた文章です。
カエルの夫婦の木彫りの人形は、バリ島 ヒルトンホテルの出身です!
売り子が私に買うようにすすめました!
どうやら私の悪声は、インドネシアバリ島でもカエルの声のように聞こえる??