夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

私のクリスマス

2020-12-23 21:30:11 | 日記・エッセイ・コラム

2020年12月自宅にて撮影


私のクリスマス

クリスマスは父親の命日です。
クリスマスは私の辛い人生が始まった日でもあります。
1966(昭和41)年12月25日。
Гおい、まあどうしよう……」。
その日の朝まで元気だった46歳の跡取り息子を突然失った祖母の悲痛な叫び声が、今でも耳に焼き付いています。
朝早くから一人でボランティアに出掛けて行った父は、昼過ぎに脳出血を起こし、その夜に急逝しました。
当時、祖母67歳。母43歳。私は13歳でした。

江戸時代後期に建てられた旧家の土間に、おびただしい数の履物が並びました。
私は弔問客にお茶を出そうと、すすり泣きが聞こえる母屋から、つっかけを履いてかま屋に向かいました。
かま屋にあった黒い大きな引き戸の棚には、町の食料品店に嫁いでいたいとこが持ってきてくれたお土産が入っていました。
そのアイスクリームでできたクリスマスケーキが溶けてドロドロになっていたのが、忘れられないクリスマスの思い出です。

あの日から半世紀以上の時が流れ、今年私は当時の祖母と、そして母がくも膜下出血で逝った67歳になりました。
ドロドロの食べられないケーキと同じように平々凡々の日々ではありませんでしたが、半世紀の時の流れは、私を7人の孫のいる幸せなおばあさんにしてくれました。

2020年12月23日 (水)
毎日新聞 女の気持ち

静岡県富士市 夢見るタンポポおばさん 67歳

毎日新聞の方と電話でお話した通り、今日の朝刊 『女の気持ち』に私の文章が掲載されました。



2020年12月23日 (水)
富士市雁金堤にてケビン撮影
雪化粧していない富士山と夢見るタンポポおばさん

今年はコロナで大変な一年でした。
これからもしばらくは大変な事が続き、
以前のように平穏無事な日々が戻って来るのはもう少し先のことになると思います。

しかしながら、『時薬』
きっと平和な日常が戻って来ると信じて
希望を持って過ごしましょう!!


水の流れ