◆MSN産経ニュース2011.6.23から
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4月23日に81歳で亡くなった元ソニー社長で、東京フィルハーモニー交響楽団の会長・理事長を務めた大賀典雄氏の社葬が23日、東京都内の音楽ホールで営まれた。親交のあった関係者ら約1100人が参列。音楽を愛し、「SONY」を世界的なブランドに育てた故人に別れを告げた。
社葬は、大賀氏が館長を務めた東京文化会館で、東京フィルハーモニー交響楽団がモーツァルトのレクイエムなどを演奏する音楽葬の形式で開かれた。葬儀委員長はソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長が務めた。
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以下は2011.4.27就活ポインターの記事から抜粋させていただきます。
◆ピアノの鉄骨
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こんにちは。
就職人気企業の一つ、ソニーの名物経営者で
元社長の大賀典雄氏が
去る2011年4月23日に81歳で亡くなられました。
有名な話ですが、大賀さんは
東京藝術大学音楽学部出身のプロの音楽家でありながら
ソニーの経営者として大活躍されたことです。
◆大賀さんのこだわり
大賀典雄さんのソニーでの業績は、いろんな経営本に書かれています。
その影で、あまり引用されないエピソードにこそ注目してみよう。
♪芸大の卒業旅行でヤマハの工場に行ったときの話♪
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夜の席で私は宴会にかこつけ、「世界のピアノのなかで鉄骨が一番汚いのがヤマハのピアノですよ」と苦言を呈したら、川上さん(後の社長)は翌日、「ヤマハの技師を全部集めるから、そこで君が話をしてくれないか」という。
私は学生の分際ながらヤマハの技術者たちを前に、「いいピアノを作るには、まずいい鉄骨を使わねばならない」と話した。
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一時は「大賀君は留学から帰ったら、日本楽器に就職するのではないか」と噂されたこともある。
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(大賀典雄「SONYの旋律」日本経済新聞社2003年から)
大賀さんの音楽へのこだわりが純粋だったからこそ
ピアノの鉄骨にわざわざ注文をつけたのだろうと思います。
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◆いい鉄骨を作ろう。
大賀さんは声楽家ということで、
〝自分の体が楽器であった〟ということも関係あるのでしょう。
まずは骨格をしっかり作ろう。
就活の骨格というのは
確固とした勤労観や職業観なのだと思うよ。
そしてこれから就活を考え始める大学3年生には
大賀さんのような異彩を放つ存在を目指してほしい。
ここでいう異彩というのは
ダブルのキャリアということです。
◆骨格の上に複数の分野を束ねること
キャリアというのは一つの能力だけでは
成長に限界がくる時代になってきたんだ。
まったく異なる2つの分野を
組み合わせていくことに新しい時代の
方向性があるように思うんだ。
それがソニーの
〝ものづくりスピリッツ〟
の原点なのかもしれないよね。
◆最初からソニーではなく、ソニーを越えていこう。
就活生に向けていうならば
たとえば
ソニーに入社することでもう自己満足するような
メンタリティではダメだよ。
ソニーはなるほどいい会社だ。
そこで働く優秀な社員さんも知ってます。
これからは
それぞれが入社する会社で
その会社を
〝ソニーのような会社にしていくのだ〟
という気概やチャレンジ精神をもとう。
大賀さんに敬意を表し
静かに思う今日です。
ではまたね。
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式辞で、同社のハワード・ストリンガー会長兼社長は「あなたの奏でる『ソニーの旋律』で我々を揺るぎない未来へと導いてください」と語りかけた。
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2011.6.24読売新聞記事から
音楽家であり経営者であったということは21世紀の経営者の可能性の『ひな形』なのだと思うこのごろです。
そういう人になりたいなぁ!
前回記事は音大生向けだったので、今回は追記しながら、視点を変えている部分に注目していただければ幸いです。