鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第425回】 完璧な会社など存在しない

2012年02月29日 | 住宅コンサルタントとして
私は、大学を卒業してから、2つの会社で働かせていただきました。

最初の会社では営業マンとして、延べ200社以上のサッシ屋さん、建材店さん、
それから住宅会社さん、工務店さんを担当させていただきました。

また、その次のコンサルティング会社で、
こちらも述べ200社以上の会社さんとお付き合いをさせていただきました。

自分が勤めた会社2社。
自分が担当させていただいた会社が400社。

まあ、結構な数の会社を知っている方だと思いますが、
これだけの数の会社で、完璧な会社など、1社も無かったです。

例えば最初に勤めた会社では、私はキッチンやユニットバスを売る部署に配属されました。
ただ、とにかく参入は後発だったので良いルートは他社に全て押さえられていたのと、
他社よりも質は劣るし価格は高い商品を売らなくてはならないという条件でした。

「こんなん、売れるか~!」

と、他社の現状を知れば知るほど、思ってしまう自分がありましたが、
当時の上司に救われたことが多々ありました。

また、販売管理のシステムも、非常に面倒くさいモノを導入されたり、
売上予測を月末10日間は毎日提出させられたりと、
納得できないことは多々ありました。

更に、北海道から大阪の支店に転勤となって、その大阪の支店の雰囲気や上司の能力を見て、

「北海道時代の自分は、何て恵まれていたんだろう!」

と感じることが出来ました。

まあ、今だから書けるのですが、その大阪の支店を仕切っている支店長、
それからそれを取り巻く管理職のアホさ加減を見て、大企業病というモノを知ることが出来ました。

北海道時代、上司には本当に恵まれていたので、毎日が楽しかったのですが、
大阪の支店は同じ会社とは思えないような、変な空気でした。

その会社とは、当時、業界の中で圧倒的なシェアを持つ会社でした。

それでも、その程度だったのです。

また、当時担当させていただいていた担当先で、急成長している会社もありましたが、
外から見るとピカピカの会社でも、中で働いているスタッフが本当に苦労している会社も
本当にたくさんありました。

何百という会社を見てきましたが、誰が見ても完璧な会社など、存在しないのです。

だから、自分が今働いている会社のダメな部分について、
愚痴を言っても文句を陰で言っていても、それは何のプラスにもなりません。

自社の商品がイマイチだったり、自社の管理システムがイマイチでも、
そもそも最初から完璧な会社など存在しない、と思って働いた方が、精神的に良いです。

「こんなことを義務付けられると、従業員は反発するんだ~」と学んだり出来ますし、
改善案を会社に通すためには、誰にどんな根回しをしなければならないかが学べたりします。

売りにくい商品を扱わなくてはならない部署で働くことが出来たおかげで、
本当に営業力がついたと思います。

条件の良い商品は、黙っていても売れるので、営業マンは要らない。
条件的に劣る商品を売るのが営業マンの仕事。
どうやったらお客様が買ってくれるのかを真剣に考え、行動し続けたことで、
商売の根っこの部分を理解することが出来た気がします。

いろんな会社を見てきましたが、どの会社にも問題点や矛盾点は必ずあります。
その問題点や矛盾点と対面した際、どう考えるのかが、とても重要だと思います。

どんな環境からでも、人間は学ぶことが出来るのです。
コメント
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