
小春日和の日、久しぶりに裏の裏通りを歩いた。道幅はリヤカーがやっと通れるほどだが、その両側は広い庭のある大きな昔風の家が並んでいる。藩政時代に何を賄いにされていたのだろうか。周辺から思うに大きな農家だったのかも知れない。それにしてもこんな入り込んだところに大きな家を建てる、苦労があっただろう。
そんな道へ進む角を曲がったら女性がスマホで何か撮っている。すれ違いに見ると枯れたヒマワリ。高さ2㍍くらいの所から弓なりに曲がり、まるで何か言いながらお辞儀をしているようだ。顔の部分を覗いてみたが特に変わった様子は無く、猛暑なのにしっかり咲いた跡がうかがえる。その下にはしっかりと種が採種されるのを待っている様だ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」はよく知られている。ヒマワリも種が多いほど深く頭を垂れると聞いたことを思い出した。このお辞儀の姿から、何千粒の種を育てているのだろうと想像する。周りには仲間の姿は無く、人で言えば話し相手もなく一人でこの夏を立っていたのだろう。通る人からはきっと見上げら喜ばれただろう。
2011年に起きた東日本大震災の復興支援を目的に発足した「希望のタネをまこう!」として、ヒマワリがその役を担った。今では活動の輪が広がり、花の力で元気になるように、と日本各地の各種災害からの復興を応援する形になっている。花言葉は「あなたを見つめる」「光輝」、ピッタリだ。
(今日の575) ヒマワリの小さなひと粒元気播く
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