◆ 映画の冒頭はハルピンでの結婚披露宴。1945年8月になるに至って円卓にはご馳走がたっぷり並んでいる。内地の空襲や広島原爆投下の話も聞こえ、戦況の深刻さも伝わっているが、8月9日のソ連参戦ですべてが変わる。父親は爆撃でケガをして動けなくなる。妻と4人の子どもたちに「日本へ帰れ、日本で落ち合おう」と告げる。
その後父はシベリアに抑留。母子は引き揚げの旅ののち帰国し、父の帰りを待つ。冬には極寒となるシベリアでの強制労働。そのうちに内地にハガキが書けるようになり、家族が無事帰還したことを知る。ところが。
その後に起こった奇跡のような物語。
◆事実に基づいたお話。
シベリア抑留に関しては、香月泰男の絵画「シベリアシリーズ」、帰還を待つ人々については、二葉百合子の「岸壁の母」。たくさんの話がある。帰れた人、そうでない人、何十万通りの過酷な物語があるが、そのなかにこういうこともあった。
◆二宮和也演じるところの本編主人公、山本幡男さんというのは実在の人物で、このお話の元となったドキュメンタリーが出版されてその名が広まった。重要な4人の人物がポスターになっているが、実際は6人だったんですって。ともかく立派な人です。
◆人間愛の話であり、約束を果たす話であり、戦争はなかなか終わらないという話でもある。続きがあるかも。
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