写真は、「うまい、やすい、はやい」ならぬ「うまい、からい、せまい」らしい福岡市内のカレー屋さん。
◆田舎少女の初吉野家
吉野家の牛丼を初めて食べたのはいつのことだったか記憶にない。だが確かに食べた。大阪だったか名古屋だったか神戸だったか東京だったか。
まだ昭和で、地元には吉野家はなかった。ともかく私がそのころ住んでいたのは田舎町だった。
「やったね、パパ、明日はホームランだ」と子どもが喜んでいる当時のテレビコマーシャルによれば、父親がおみやげに買って帰れば、坊やは明日の少年野球でホームランが打てるらしかった。
◆こんなんなら自分で作ると思った
ワンレンロングヘアでサングラスしてヨーガンレールあたりのゆるっとしたワンピースにレノマのフラットサンダル履いて表参道を歩いていても、芸能人少年ユニットの路上パーフォーマンスが始まるなり、ラ・バガジェリーの柔らかいショルダーバッグから一眼レフを取り出してしまうところが、おのぼりさん丸出しである。
そんな田舎少女たる私に都会で高いごはんをおごってくれる人はいなかったが、吉野家の牛丼は中毒になるようなものではなかった。いつどこで食べたにせよ、吉野家は、娘時代において一回こっきりだったと思う。そう いや食べたことがあるような的な。材料も少なく自分で手早く作れるようなものをわざわざ外で続けて食べたりしない。何か他の物を食べる。外にいて、ゆっくりできる場所で食べられないのであれば、カロリーメイトでも齧っとく。そのぶん、別の消費にまわすよ。お金は大事だ。
◆「消費者なんてチョリーッス」
で、問題の
「キムスメ、シャブ漬け」
意味不明である。何ですか、この昭和ヒヒオヤジ的下品な劇画用語は?
居酒屋でも聞かんわ。
つまりですね、吉野家の常務をしてた敏腕マーケター伊東某さんがクビになったのは、女性蔑視とか田舎蔑視とか下品とか、というよりも、もっと深いとこで致命的なこと、
「消費者なんてチョリーッス」
と、消費者全体を舐めてたことが露呈してしまったからなのだと思うのですよ。これまで、よほどお仕事がうまくいってたのね。
いわゆるひとつの「トレンディ」なものは、実はヒヒオヤジが消費者を舐めて作っているのではないか。という警句を残し、伊東さんは去っていったのである。
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