発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

萩往還

2011年06月30日 | 本について
◆長州維新の道 萩往還
プリンティングなう、でございます。
紆余曲折ございましたが、来月には店頭に並びます。

◆三吉慎蔵さん
昨年の大河ドラマ「龍馬伝」で、筧利夫さんが演じていた
三吉慎蔵さん。龍馬と一緒に京都に行った人。
なんだかいい人だなーと興味を持たれた方が多いと思います。
もっと知りたい方、詳しく載ってます。

◆村田清風さん
村田清風さんをご存知でしょうか。
山陰の美しい漁村で、海風の入り込む座敷で冷たい麦茶を飲みながら将棋をさしてるような名前のこのお爺さんなくして、明治維新はなかった。すくなくとも長州の出る幕はなかったのです。
長州萩藩の一代家老で、天保改革の中心にいた人です。財政改革産業奨励教育改革軍事改革と改革しまくった人なのですが、財政改善のために、藩主導の商社を押し進めた人なのです。

目的はただひとつ、安く買って高く売る。
そして、腐り切った幕末を買い叩く×3(←こんなハゲタカ鷲津政彦みたいなことは言ってませんが)

吉田松陰さんも、実はこの人がプロデュースしたのではないかと思ってます。
松陰神社の入口の蝋人形館に、藩主の前で御前講義する、まだ年若い吉田松陰、という場面があるのですが、そばに村田清風さんがいるのです。優秀な人は殿に褒めてもらって奮起させよう、というのも、教育改革の一貫だったのかもしれません。吉田松陰に、諸国を見てまわれと言ったのもこの人だし、後年密航しようとして逮捕された吉田さんを、萩藩に連れ戻すよう尽力したのも村田さんなのです。

1855年、伊豆韮山代官の、江川太郎左衛門英龍さんと同じ年に亡くなっています。江川さんも、好きな人です。
この人も、幕府にいろいろと邪魔をする人がいなければ、ひょっとして明治維新は違ったことになったのでは、と思う人です。
この江川さんは、桂小五郎さんが江戸で勉強していた時代の先生なのですよ。

◆正しい街道

萩往還は、旧街道のなかでも、理想的な整備をされています。
本当に歩きやすい。自然景観をこわさないように整備されています。
何よりも旧街道整備のなかで一番大切なのは、トイレです。この整備なくして、安心して歩けるでしょうか。
一定の区間ごとトイレがないのに何十キロも歩けるほどワイルドな人はそう多くない。これなくして、どうやって観光客を呼んだりできるでしょうか。

その点、萩往還は安心なのです。80年代半ばに整備されています。日本にお金がまああったころに正しいお金の使い方がされていた、といった感じなのですね。

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