◆「皆さま、ライブ会場に、お帰りなさいませ」
かりゆし58ボーカルの前川慎吾は、ステージに立ち開口一番こう聴衆に呼び掛けた。
久留米百年公園の野外フェス。日なたは暑いけど、いい風が吹いてる。ロックシーンに詳しいわけではないが、FM局の案内メールに誘われて久留米まで車を走らせた。来てたアーチストのなかで、かりゆし58は、私でも名前と曲が一致する。2012年の映画「愛と誠(実写版)」(笑えるバイオレンス映画。昭和歌謡満載)のエンディングテーマを歌っていて知った。
優先観覧席にはパイプ椅子が並んでいて、一つ置きに座る。しかも、ワンステージごと客の総入れ替えを行う。客が退場した後に座席を消毒する。入場の際はLINEの友達登録が必要で、マスクも必須。歓声禁止。何と不自由な集会の自由であることか。しかし、現時点では、これが精いっぱいで、この品行方正なロックフェスが成功したなら、次のイベントも開けるということなのであろう。
歌はもちろんだが、毎日稽古しなければあのギターとドラムはとても無理だと素人にもわかる。去年から、何度もライブが中止になった。中止延期中止延期の繰り返しの中、ずっと練習してきたのだ。本当に今回開催されるのか? また突然の中止になるのではないか? 不安の中で今日を迎えたに違いないのだ。そして、すごく喜んでいるのだ。今のこの一瞬を。聴衆も同じだ。歓声は禁じられても、手拍子は自粛しない。無事開催。よかったね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます