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平均、数字のマジック? 1世帯あたり貯蓄額1880万円、過去最多

2022-05-11 07:35:49 | 政治経済
5/10に総務省が発表したデータによると、2021年の2人以上の世帯の平均貯蓄は
前年比5・0%増の1880万円だった、そうだ。
総務省によると、コロナ禍で外食や旅行などの娯楽関係の支出が減り、預貯金に回ったそうだ。

こういう数字が出るとどうしても1880万円と言うとてつもない数字に目を奪われてしまう。
しかし、驚いたり自分をさげすんだりする前によく考えておく必要がある。

一方で金融広報中央委員会が2月に発表した「2021年 家計の金融行動に関する世論調査」に
よれば、2人以上世帯の「貯蓄額0」の比率は22%(単身世帯では33%)となっている。
2割も貯金の無い人がいるんだ、と安心するのもまだ早い。

残り78%の平均が1880万円なので、貯金のある人の平均は単純計算で2410万円となり、
ますます遠のく。

安心材料としていいのかどうかわからないが、この貯蓄額には負債額は含まれていない。
すなわち最も多額の負債であろう「住宅ローン」が入っていないのだ。
多くの住宅ローンを抱えるご家庭にとって、純貯蓄額=貯蓄額-負債額は大幅ダウンし、
ローン完済近いご家庭を除けば多くがマイナスになるであろうことは想像に難くない。

とはいえ、すべてのご家庭が住宅ローンを抱えているわけではないし、この推論は
何の慰めにもならない。

また、いーつも疑問に思っているのだが、貯蓄額には生命保険が含まれる(平均357万円)
生命保険の額が何を基準にカウントされているのかよくわからないが、とにかく入っている。
これを聞くと平均は1523万円となる。

平均、は数字のマジックが起こりやすい。
例えば、10人で考えてみる。
そのうち、貯蓄額0の人が2人。
貯蓄額200万円の人が3人。
貯蓄額500万円の人が4人、
いたとすれば、平均貯蓄額は289万円と300万円に満たない。
しかし、最後の一人が1億円持っていたら、平均は1289万円に跳ね上がる。

分布がポアソン分布のようなきれいな山形を描く場合、平均は文字通り全体の平均を表す。
しかし、大きく偏った、この場合で言えばとてつもなく多額の貯蓄を持っている人がごく一部いる場合、
平均はそちらに引きずられ中央値でも最頻値でもなく、実感とは大きく食い違う。

もちろん長期的な推移を見るための統計としては意味があるが、その時々の数字を見て
多い少ないの判断は早計だし、ましてやそういう平均と自分を見比べてもあまり意味がない。
ま。参考程度に考えておけばいい。

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