ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

果たして地震は予知できていたのか

2015-06-22 22:26:04 | 科学
2015/5/30、20:23頃。
小笠原近辺の深さ682kmでマグニチュード8.1の地震が起こりました。

当初は深さ590km、マグニチュード8.5でした。
マグニチュードの訂正は地震規模が当初計算されたより小さかった、で済みますが、
深さはそうはいきません。

というのも地球内部の深さ670km辺りにはマントルの相変化を伴う境界面があり、
マントルの固さが大きく異なっていると言われます。

つまり、670kmまでの上部マントルは柔らかく670km以深の下部マントルは固い。

マントル内部に沈み込んだプレートはマントルに熱せられて徐々に柔らかくはなるものの、
溶けきらずに沈み続け、この境界面でつっかえ、それ以上深く沈めない。

それでもあとからあとからプレートはやってくるので、ついにはプレートが
折れたり割れたりして地震が起こる。これが深層地震の原理と言われます。

今回の地震の682kmと言えば上部マントルの下部マントルの境界面より深い。
境界面に達したプレートがさらに沈み、下部マントルを押し、多少はへこませたものの、
ついに耐えられず割れてしまって地震となった、というところでしょう。

地震の解説で良く使われるゴム板同士が押し合って圧力が溜まり、
ついに耐え切れずにはじけ、ぼよよよ~んとなって、これが地震です、といった
「プレート境界型地震」とはその原理、メカニズムが全く違うということです。

プレート沈み込みの最下部で起こったひずみが上部のプレートにまで
ひずみを起こさないとは言い切れませんが、深層地震とプレート境界型地震は別物です。

また、地震の規模を示すマグニチュードは計算の仕方で値に若干の違いが出るようですが、
指数として2違えば、規模が1000倍違います。

つまり、0.2違えば2倍違います。
0.4で4倍、0.6で8倍、0.8で16倍、1.0で32倍違います。

8.1と6.0では1400倍の差があります。

深さ50kmでマグニチュード6.0クラスの地震が起こることと
深さ682kmでマグニチュード8.1の地震が起こるのとでは、
その規模、メカニズムとも全く違う、と思うのは私だけでしょうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画BD「プレミアム・ラッ... | トップ | 今朝の東京スカイツリー、201... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事