峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

子象物語 ~ 劇団トマト座 ~

2006年06月22日 12時00分23秒 | 芝居の話
昨日書こうと思った「猫の話」は先送りにします。(そのまま忘れるかも

三男の通う小学校は創立百周年を迎えます。
その記念行事として、昨日は小学校の講堂で劇団トマト座による、『子象物語』の公演が行われました。


内容
太平洋戦争のとき、空襲になり猛獣が街へ逃げ出さないための処置として、
上野動物園に軍部からすべての猛獣を殺すようにとの命令が届きました。
猛獣や大型動物たちのほとんどが毒入りの餌で命を落とす中、子象のトンキーだけは毒の入った餌を食べず、注射針も皮膚を通さず、頑張り続けました。
しかし、飼育係がこっそり餌を運んでいるのを軍部にみつかり、仕方なく餓死させることになりました。
それでもトンキーは命の灯をともし続けるのですが、最後は絶命します。


登場人物
動物好きの二人の姉弟、ヨシコとタケシ。(名前違ってたらごめんなさい)
動物園の園長。
飼育係の三吉。
軍人。獣医。(二役?)
そして、象のトンキー。


感想
暗く、重い話を小学生の子供たちを飽きさせることなく、どこまで出来るのだろうと思いましたが、
子供たちはヨシコとタケシの場面で何度も笑っていました。
園長と三吉の見事な音痴ぶりにも、大きな笑いが起こっていました。

会場がものすごく蒸し暑かったので、条件は良いとは言えなかったと思いますが、
劇団トマト座の方たちの演技は良かったです。
みなさん声がよく通り、活舌も良く、後ろの方に座っていた保護者にもセリフがちゃんと届きました。
さすがはプロです。

また、暗転の時間が短く、出演者自らセットを動かす工夫がされていました。
これも子供たちを飽きさせないために考えられたのでしょう。

じつは、後半では子供たちの私語でざわついたときもありましたが、それほど長い時間ではなかったと思います。
ある程度は仕方ないでしょう。
私が見たのは高学年のときの回だったので、その前の低学年対象のときはどうだったのか、わかりません。
結構、低学年の方が純粋で、もっと食い入るように見ていたかもしれませんね。

息子は感想文に、
「可哀想なのはトンキーだけでなく、ライオンやゴリラや他の動物も可哀想だ。
 上からの命令で動物を殺させた兵隊も可哀想だ」
と、書いていました。
私がちょっと言ったことを自分なりに書いたのですが。

そう。
可哀想なのはトンキーだけではありません。
みんな可哀想。
トンキーは戦争の被害者全ての象徴であり、恐くて悪そうに演じられていた軍人は、戦争そのものの象徴だと思いました。

でも、トンキーに照準を合わせ、トンキーを通じて人としての心の痛みを共感することが
子供にとって大事なのだと思います。

これは「なぜ本を読むことが大事か」にも通じることですが、そのことはまたいずれ。

しかし閉め切った講堂は暑かったなあ。
トンキー役の方、よく頑張ってくださいました。
象の着ぐるみがすごく良く出来ていたけど、中はどうなっているんだろう


   余談  

私が小学6年生のとき、日生劇場で「劇団四季」の『オズの魔法使い』を見ました。
とても感動して、なんと私の初恋はそのときに観たブリキさん
もらった薄っぺらなパンフレットを大事に取ってありました。

20代になって、テレビ関係の仕事をしていた友達の‘ヨシコちゃん’に声をかけてもらい、
昼の某番組の片隅に出してもらうバイトをしたのですが、
司会をしていらした荻島真一さんは、そのときの『オズの魔法使い』でカカシ役でした。
番組打ち上げのとき、大事に取ってあったパンフレットをお見せしたら、懐かしがってくださいました。
私が「このときのブリキさんが初恋の人です」というと、ヨシコちゃんが、
「カカシさんも好きだったのよね」とフォローしてくれたにも拘わらず、オバカな私は
「いえ、ブリキさんが好きだった」と連発してしまいました。
荻島さんは、「ブリキは役柄がカッコ良かったからな」と少ーし、憮然となさったような…。

その節は失礼しました。 (インターネットは誰が見てるかわからない。)
素顔は荻島さんの方がカッコ良いです。たぶん。(ブリキさんの素顔知らない)
今更すっかりオバちゃんの私に言われても嬉しくないでしょうけど


きっと昨日の芝居も、子供たちの一生の思い出になるでしょうね。

でも、トマト座のHP見て思ったけど、『オズの魔法使い』か『西遊記』見たかったな~。(独り言)



~~追記~~

この翌年、「オズの魔法使い」を上演してくださったのです。
でも、その日、観に行くことができませんでした。
とっても残念だったのですが。

観たかったなァ……と、なぜか最近思い出したので、追記します。

2013年9月27日


【2019/12/16追記】
ふと訪問歴を見たところ、この記事にアクセスしてくださった方がいらしたので、
追記します。
一昨年、やっと見に行きました! 
            
2017年7月22日『10年目のオズの魔法使い』 (クリックするとリンク先の記事に行きます)