町歩きのほぼ終点に近い出雲街道沿いに見かけた文化1年(1804)創業の老舗「御前酒蔵元 辻本店」。店舗兼主屋をはじめ9つの建造物が国の登録有形文化財となっており、2007年には岡山県初の女性杜氏が誕生したことで話題になった建物です。
日本酒大好きなご亭主殿、ほんの少し目を離したすきに、町歩きの途中で荷物になるのも厭わず、速攻で店内に入り、速攻でお買い上げ😅。
何で目を離したのかって?だって、本店の並びにこの土蔵を見た瞬間、足も目も釘付け。御亭主殿がほんの数分姿を消したからと言って、気が付くはずが有りません。
機嫌よくお店から出てきた御亭主殿、改めて嬉しそうに土蔵を見上げ、デジカメのシャッターを押し続けてます😍。岡山県人ならなじみの深い1970年代のCM。岡山出身の長門勇さんの独特のニュアンスで「『御前酒』飲まにゃあ、ええ酒じゃ」、不意に思い出して一人笑い😊。
四隅上下に施されたなまこ壁の幾何学的な美しさ。一階・二階の土蔵の扉には龍や唐獅子の鏝絵。いや~~~~!眼福
興奮冷めやらぬままに、いつかまた再来できますようにと名残を惜しんだ町の景色。気が付けばこの時からすでに九年の歳月が流れています。
出雲街道の分岐、杉本履物・みやげ店の前に、元禄2年(1689)、嘉永5年(1852)、2012年に建立された「神橋の道標」。
「元禄道標」
そもそも、今回の勝山行きは「のれんの町:勝山」のキャッチフレーズに惹かれて立ち寄った筈。それが予想以上の町並みの美しさに、結局のれんの紹介は後回しになってしまいました😅
お店は無論ですが、一般家庭の玄関先にも趣向を凝らした暖簾が下げられており、見て歩くだけでも気分がウキウキ。
どこかのお宅で見かけた素敵な一枚。これがヒントになって、母が若い頃に着ていた羽織をほどき二組の暖簾を作りましたが、我ながら良い出来でした。
これなど、真夏の日差しがきつい玄関先には是非とも拝借したいアイデア。もう袖を通さなくなった絽とか紗の着物が使えそう。
建物のイメージと暖簾の色柄がとてもしっくりと馴染んで、見飽きる事がない町歩き。実際に暖簾だけを見て歩く「勝山のれん街道:暖簾マップ」なんてポスターも見かけました。
暖簾を見ただけで何を商っているかが一目瞭然というのは、正しく暖簾の役目を果たしていると言えるかも。お互いの一押しをという事で、御亭主殿はピースのデザインが染め抜かれた暖簾。
私は「顔郵便マーク」が断然気に入りました😊 。元々は旧郵政省が郵便事業で使用していた記号なんですが、シンボルキャラクターの扱いでも良いと思っています。
訪問日:2013年4月23日