昨日に続いての芭蕉句碑巡りは元禄2年9月、「奥の細道」旅の途中に、大垣にある『木因』の別邸に招かれた折の挨拶吟。
【 隠家や 菊と月とに 田三反 】(この隠居所の庭には菊が咲き、月も美しく見えるし、更に田も三反あって、実に素晴らしい)
元禄2年(1689)5月27日に出羽国(山形市)「立石寺」に参詣した際に詠んだ発句。
【 閑さや 岩にしみ入 蝉の声 】(あまりにも閑かな山寺なので、煩いほどの蝉の声さえ岩にしみ込むように思えるよ)
元禄4年、芭蕉48歳の最後の江戸下向の折、『宮崎荊口』の次男『千川』宅にて詠んだ句。
【 折々に 伊吹を見ては 冬ごもり 】(あなたはこの立派な屋敷から、その折々に伊吹の雪を眺めながら、冬を越すのですね)>
元禄2年7月12日 市振の宿にて
【 一ツ家に 遊女も寝たり 萩と月 】(同じ一軒の宿に遊女と泊合わせた。おりしも庭には月の光に照らされて萩の花が咲いている)
ちなみに私はこの句を見ると、昔読んだ『横溝正史』の「獄門島」の一場面を思い出します😅
ちなみに私はこの句を見ると、昔読んだ『横溝正史』の「獄門島」の一場面を思い出します😅
元禄二年(1689)3月27日、芭蕉は深川から舟で隅田川を遡り、千住大橋の北側あたりに上陸。そこで見送りの人々と別れる時に詠んだ句で、「矢立の初め(旅日記の一句目)」と記されています。
【 行く春や 鳥啼き魚の 目は泪 】(この素晴らしい季節が去ってゆく時は、空の鳥や水中の魚さえも悲しさに泣いている様だ)
元禄2年(1689)、日光東照宮に参拝し、その神聖で荘厳な雰囲気に敬意を表して詠んだ句。
【 あらたふと 青葉若葉の 日の光 】(なんと尊いことだろう日光山は。新緑に埋もれる木の下闇まで燦々と日の光が射している。)
奥の細道の句碑巡りは、激しさを増した雨に阻まれて、已む無く断念することになりました。いつか、撮り残した句碑の全てを、アルバムに収集できる日が来ればと願っています。
訪問日:2018年10月10日
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