「須佐(すさ)神社」の境内には、御祭神にゆかりの深い神々が祭られる境内社が鎮座されています。
鳥居をはさんで向かい側に鎮座されるのは、『天照大神』を御祭神とする「天照社」。「上の御前さん」とも呼ばれ、また中世には「伊勢宮」とも呼ばれていました。『須佐之男命』と『天照大神』が相対する位置にあり、他ではあまり例を見ない配置です。
境内入ってすぐ、左右より神域を守護されるのは、四肢を踏ん張らせて参道を見つめる文政十年(1827)建立の出雲構え狛犬さん一対。 高天原の無敵の女神様ですが、地上には質の良くない輩もいるので、神域守護の為に奉納されたのかも。
「稲佐の浜」の国譲り神話では、ツッコミ部分で『天照大神』の事をかなり横暴な(笑)権力者のように書きましたが・・。私、ここに誓って言いますが、日本国の総氏神として、しっかりと崇敬の念をもって拝しております。はい!!
素戔嗚命が鎮まられる境内の最奥に鎮座される「三穂社」。「下の御前さん」とも呼ばれ、御祭神は『三穂津比売命、事代主命』。大国主神の后神と、気前よく国譲りに応じた(笑)大国主の御長男神。
随神門の先「東末社」、御祭神は『天忍穂耳命、天穂日命、天津彦根命、活津彦根命』。
向かい合って「西末社」、御祭神は『熊野樟日命、市杵嶋姫命、田心姫命、湍津姫命』。東西の末社に天照大神と須佐之男命の誓約によって生まれた八柱の神々が祀られます。
色褪せていますが、もと朱塗りの鳥居は「稲荷社」。五穀豊穣の神である『稲倉魂命』を御祭神とします。
神域を守護される神狐さんは文化十年の奉納。ふっくらとした頬がなんとも愛らしく、稲荷の狐というよりも森の小リスといった風情・・・なんて事を言うと叱られそうです(笑)
後方には先代の神狐さん
「落ち葉の槇」は、『櫛名田比売命』がお産の時に使用した「松葉で綴った槇の葉」。 今でも槇葉の縁には松葉で刺したような穴があるそうです。須佐神社の神紋「蔓柏」はこの古事が由来とされ、蔓は松葉を文様化したものが使われました。
御神紋由来碑の傍らには、白砂の上に石で作られた大きな「海亀」の奉納。碑には【 神魂の 杖ともならむ亀すがた 世人の道を祓い清めん 】
参拝日:2011年5月16日
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