島根県の最西端にある「大井谷棚田(おおいだにたなだ)」。日本の棚田100選の1つといわれ、その美しい姿は観光パンフレットにも頻繁に登場します。
吉賀町柿木村白谷、167号線から脇道に入り川沿いの道を走ってゆくと、前方にループ橋が出現。 結構な距離を走ったなと思う頃に、タイミングよく展望台駐車場の案内看板が見えてきました。
はやる気持ちを抑えて車を停め、降り立った目に真っ先に飛び込んでくるのは、幾重にも重なる棚田と集落の光景。舗装された道路と石積みの棚田、周囲を取り囲むように見える山々は秋の装いに染まって鮮やかに。
室町時代から江戸時代に築かれ、今に至る600年もの間、積み直しや補修が重ねられてきた「大井谷の棚田」。江戸時代の最大時には17ha・約千枚以上もの田んぼが耕作されていたと伝えられています。
棚田で収穫された米は非常に美味であったといわれ、津和野藩主への献上米とされていました。今もその美味しさは変わらず受け継がれ、有難いことに庶民の私たちでも頂く事が出来ます(〃∇〃)
駐車場から展望台への道は見た感じよりも危なかしくなく、私の頼りない足でも何とか大丈夫。
展望台の一画に『小田裕侯(ひろし)』歌碑。【懇(ねんご)ろに 野面石積む千枚田 たたふる水の 空に輝く】
懇(ねんご)ろに・・・心をこめて丁寧に一つずつ積み上げられた石垣にはピッタリの言葉。人の手で大切に積み上げられ、何度も何度も修復されてきた石積み石垣の棚田は現在630枚。
展望台を下り、間近で改めて見る石積みの正確さ、その緻密な美しさには、感動さえ覚えます。 季節柄、稲は刈り取られ、棚田一面に広がるのは妙にうそ寂しい光景ですが・・・
田植えの後の水が張られた田んぼ。青々と伸びる苗。黄金の実りに重く頭を下げる稲穂・・。目を閉じれば何かで見たそんな光景が当てはまって、思わずため息が・・そんな時にいつも呟く約束の呪文・・「また違う季節にここに来ようね」。
棚田の訪問を終えて立ち寄った「道の駅:かきのきむら」で販売されていた『棚田米』。これでお握り作ったら絶対に美味しいだろうね。
訪問日:2012年11月11日
2021年4月1日、柿木村の表記が外され吉賀町柿木村白谷から、吉賀町白谷に変更されました。
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