落合監督退任

今年で８年目で最終契約年だし、優勝如何に関わらず退任だろうとは思っていた。ただ、まだ発表には早すぎた。
それでも、今日も中日ドラゴンズは東京ヤクルトスワローズに勝った。それだけ、選手は強くなってきたんだなあと思う。

ファンサービスが足らない、マスコミに話さない落合監督は中日ファン、特に地元名古屋の人間に受けが悪い。これは、落合監督が選手時代にロッテからトレードで来て、FAで巨人に行ってしまったという、選手時代から「嫌い」という人が多いということもある。ホーム球場や現在の野球に合わせた「守備型野球」は派手さに欠け、支配下選手も玄人志向が多く、優勝しているのにファンが離れるというおかしな事態にもなっていた。

成績については歴代の中日監督でも最高クラス。監督としての在籍年数も球団一位だ。私は、現在のセ・リーグ監督の中で落合監督ほど采配の巧い監督はいないと思う。他球団ファンの知人でも、玄人志向の人にはその采配の腕を認める人は少なからずいる。落合監督は人を見る目は確かだ。
そして落合監督の少ないコメントを見ていて、気づいている人は気づいているが、落合監督は失敗した選手をマスコミ上で非難することは無い。もちろん、チーム内ではどうだかわからないが、新聞やニュース記事で落合監督が選手を名指しで非難している記事を見たことが無い。今年、中心打者の森野選手が不振にあえいだことで「森野だよ、森野」とか、同じく不振の和田選手に「和田は5番打者が向いているんだ。チーム事情で4番を打っていただけ」と話すことはあっても、これらは奮起を促していたり、降格をむしろ庇っているような話であって、非難しているわけじゃ無い。一方で、落合監督と何かとライバル視される巨人の原監督は、かなりよく選手を非難している。反面、原監督は褒めることも多いのだが。なお、オリックスの岡田監督なんかもよく選手を非難している。

落合監督の指導方針は徹底して、「猛練習」であった。練習が足りないから失敗する。練習しているからうまくいく。練習量が多いからシーズン終盤まで体力が持つ。これは昨年の猛暑の後に逆転でリーグ制覇したことや、今季の9月に入ってからの成績からも明白だ。ただ、なぜか打撃面ではこれほどの練習の成果がほとんど発揮されなかったのだが。監督自身が「猛練習」で三冠王になった人だけに、打撃面を教えることは案外に向いていなかったのかも知れない。

さて、気になるのは後任監督がすでに70歳の高木氏になったことだ。落合監督より13歳も上で、これまでに1度監督をやって、最終的に成績不振で途中退任している（途中2位にはなっているが）。前々から、「立浪」監督がマスコミで騒がれている中で高木氏が選ばれたと言うことは、何らかの理由で立浪氏が断ったか、最初から繋ぎのつもりで2年くらいということなのだろう。

今シーズンはまだ20試合以上残っていて、首位まで3.5ゲーム差。逆転優勝の芽は見えている。
あとは落合監督の花道を飾るべく、選手達には奮起して、球団初の連覇を達成して欲しい。