「箕面市人権宣言」30周年・「箕面市人権のまち条例」20周年を記念しての大きな人権フォーラムが開催されました。
日時:2023年(令和5年)
12月9日(土) 全体会:つながりあう力、豊かな社会 講師:村木厚子 氏
12月10日(日) 障害者分科会:障がい者理解と共生社会を考える 講師:桂福点 氏
12月16日(土) 教育(子ども)分科会:こどもの”おもい”をきく 講師:若杉 逸平 氏
12月17日(日) 女性分科会:すべての女性を支援する新法 講師:雪田 樹里 氏
在日外国人分科会:あきらめない心 講師:ちゃんへん.氏
12月23日(土) 部落問題分科会:人の世に熱と光を 講師:駒井忠之 氏
「いっさいの差別を許さないために、話す・語る・伝える、わかちあう」が統一テーマとして設けられていました。
各講演会に参加し、学んだこと・感じたこと・気づいたことがありましたので、是非知ってもらいたいです。
12/9(土)13:30-16:30
全体会『つながりあう力、豊かな社会』
日本人は、「人に迷惑をかけてはいけない」と子どもの頃から言われているため、相談することをためらう人がいたり、困難に直面している時でもSOSが出せないために必要な支援につながることができず、悲しい結末を迎えてしまうというような問題が起きていることを知りました。
世の中には「支える人」と「支えられる人」と2種類の人間がいるわけではなく、1人の人間がどちらの側面も持っている、という村木さんの言葉にあるように、誰かが困っているときには手を差しのべ、自分が助けを必要とする時にはまず誰かを頼ってみる事が大切です。
行政や地域のネットワークなどの仕組みに加えて、そういった役割を一人一人が担うことで、つながり合う「地域共生社会」の実現に繋がります。
これからは、助けが必要な人を支援するために「行政として何ができるか」「企業として何ができるか」のように、個々で何ができるかという発想ではなく、そこに所属する一人一人がそれぞれが足りないところを補い合いながら、みんなで何ができるかを考えたり、みんながつながりあい、地域を豊かにする「市民自立型社会」を作っていくことが大切という言葉に深く共感しました。
12/10(日)13:30-15:00
「障害者」分科会『大笑いゼーションでノーマライゼーション〜障がい者理解と共生社会を考える〜』
①桂福点さんは1968年生まれの落語家で、緑内障が原因で全盲になりました。
小学生の頃から徐々に視力が低下していき、手術をしたが中学生の頃にはほぼ視力がなくなったとの事でした。
片目の視力をほぼ失っていた幼少期は川西市多田で過ごしたそうですが、障害者への理解が今よりもっとなく、小学校の時に壮絶ないじめがあったようです。
ある時、合同運動会で他小学校の児童(その児童は部落出身ということで差別を経験していた子)と出会い、かけっこの後にお喋りして楽しく過ごすことができたとのことでした。
その姿を見たお互いのご両親はすごく喜んでいたそうです。
「普通の事なのに、なんでだろう?」
「同じ人間なのに、ただ目が見えないだけなのになぜ差別されるんだろう?」
と、桂さんは子どもながらに思ったそうです。
そして、「小さい頃から身近に障害がある人がいることで理解が深まる。大事なことだ」と仰っていました。
桂さんの幼少期よりはバリアフリー化が進んできていますが、まだまだ差別は残っているのかもしれません。
目に見える障害や目に見えない障害、差別など色々ありますが、それらを互いが歩み寄り理解し合えたら少しずつでも「共に生きる」ことができるかもしれません。
私自身は医療介護の現場で働いてきて、障害者の方との関わりもありますが、分かっているようで全然分かっていなかったかもしれません。
目に見える障害ばかりに囚われて、精神的な障害や社会制度やハード面での壁がまだまだ世の中には溢れているんだろうなと思いました。
桂さんの独特の間合いで、笑いを交えながらの講演にオンライン視聴させて頂き、とても有意義な時間でした。
②桂福点さん自身、視覚障がい者として障がい者の生きやすい世界を目指し、日々明るい未来ある生活を過ごされています。
幼少期目が見えない事でイジメにあい自殺も考えた事、自分よりもっと重い障がいを持つ友人と出会い、生きる意味を持つことができたと話されていました。
これからの社会において、障がい者と地域の繋がりをつくることによって分かり合える、分かろうとする思いが生まれる環境が必要だと思いました。
③ご自身の生まれ持った目の障がいの生い立ちなど、最初から最後まで落語家ならではのユーモアを取り入れながらも思いを伝えてくださいました。
障がい者と共に生き誰もが住みやすい町・暮らしである為には、小さい頃から色々な人、障がいのある方などに沢山会う機会をつくり、
「受け入れ慣れていく」事が大事だそうです。
また、障がいの方が他の障がいの方を理解できているわけではなく、誰もが「解ろうとする事」が大事と伝えて下さいました。
どんな状態であれその人が「生きている」だけでその人の周りの誰かの支えになっています。
いじめや虐待など生きるのが辛くなるような追い詰めるような事がは絶対あってはいけません。皆、生きる権利があります。
福点さんは幼少からいじめや虐待などにもあい、苦難を乗り越えてこられました。
乗り越えるきっかけとなったのが、水頭症をわずらっていた友達がのど自慢で歌った、さだまさしさんの「道化師のソネット」を聴いた事です。とても綺麗な歌声で心に響いたそうです。
そして、この事をきっかけに音楽にふれていき、音楽療法したり、「笑いで人々の役に立ちたい」と落語家へとなられました。
公演中にも「オペラのオーソレ ミオ」をテノールで歌ってくださったり、作曲した「蛍」を笛で演奏しつくださいました。
どんな小さな事でも人の役に立ち、お互い喜び合える偏見のない町でなければとあらためて思いました。
「教育(子ども)」分科会『こどもの”おもい”をきく~大人・こども・社会とのかかわりから~』
子どもの思いを聞けるように、相手のことを考えて話を聞くことが大切だと思いました。
忙しさに負けて、なかなかできていないのが現実であると感じました。
12/17(日)13:30-15:00
「女性」分科会『すべての女性を支援する新法 成立からみえる女性の今 』
1998年民間で『女のかけこみ寺 いくの学園』開設、この時から弁護士として雪田樹里先生が関わっています。
目指すもの・ミッションは、DV.性暴力.虐待.の社会問題に取り組む為、相談支援の場を提供し、当事者が発言しやすい場づくりネットワークや仕組みづくりに取り組んでいる事です。
しかし、地域では「暴力から離れた後の生活と心身の回復に必要な支援が充分ではない事」を知りました。
予算の問題や、女性福祉に携わっていただける方を増やす事、学生さんにもこんな活動がある事をもっと知ってもらう事、大阪府の女性相談の方と連携とる事も必要です。
このような安心できる居場所が全国にもっと広がってほしいです。
その為には一人ひとりがもっと声をあげていく事が必要だと思いました。