テーマ 『出会いのワークショップ・・・・“ふつう”の日常から一歩深めて考える人権』
日時:2013年6月13日
講師:栗本敦子さん(Facilitator’s LABO)
人権について年間5~6回開催される学習会「イキイキさわやかに学ぶ会」の第1回目は、
ワークショップでスタートしました。
まず、ウォーミングアップと称して他校からも参加している初対面の方と一対一で向き合い、
栗本さんが出すテーマにそって、交互に1分間片方が話し、もう片方は傾聴します。
テーマは、「今の気分」「最近うれしかったこと」「子どもの頃、最も好きだった先生」など、
簡単なものを5つ程でした。これらのテーマについて話し、傾聴してもらい、
今の自分の心(感情)・体の調子に目を向け、これまでの経験や学びを振り返ることで
『自分自身を知る』という作業でした。
移り変わりやすいその時々の感情、そして体調が自分を表現しているにもかかわらず、
それらをあまり自覚することなく、日々過ごしているかもしれないなと気付かされました。
栗本さんは
「例えば、不当な扱いを受けたり、心ない言葉をかけられた時に、怒りや傷ついた
悲しみ苦しみの感情がわいてきます。しかし、これらはマイナスの感情だから
表現しない方がいいと我慢するのではなく、マイナスの感情も大切な感情なんだと
自分で認めること、そしてちゃんと表現し相手に伝えることが大事です。
ただ、その怒りを暴力的に相手にぶつけてはいけません。きちんと上手に怒りを
相手に伝えるためにも、マイナスの感情の表現方法こそもっとよく学ぶべきなのです。」
とおっしゃっていました。
その後、4人のグループになり行ったことは、「5円玉を思い浮かべて、
4人で協力して5円玉の絵を描く」というものでした。
今まで何千回も見て触り使ってきた5円玉。予想はしてましたが、描けないものなんですね。
「よく知っている、分かっていると思っていても意外と知らないものだ。」
という事に気付く作業でした。この「5円玉」を「人権」「差別」に置き換えたらどうでしょう?
謙虚な気持ちを持って生きていこうと思います。
次に、この4人で考えたテーマは「宇宙人が人間を調査に来ました。人間を説明する
キーワードを上げましょう。」というもので、キーワードを上げながら
「人」とは何なのか?を考え、「人」であることにどんな条件もいらないことを改めて認識し、
「人」である限り全ての人に「人権」は与えられるのだと再確認しました。
最後は、同性愛・被差別・障害・セクハラ(パワハラ)に関して、実際に語られた会話の
文章を4人で読み、その会話に出てくる「ふつう」という言葉の使い方について、
意見や感じたことを話し合うものでした。
私達が担当したのは同性愛について語られた以下の文章です。
【何人かで雑談をしていたとき、Aさんが同性愛について差別的なことを言いました。
それに対してあなたが「そういう言い方はよくないと思う。性のあり方は様々なんだから」と
言ったところ、Aさんに「もしかして、あなたも同性愛なん?」と聞かれたので
「ちがうよ、わたしはふつうやけど」と答えました。】
「ふつう」って何だろう?自分の意識をどこに想定して「ふつう」と言っているのだろう?
あまりに便利で日頃よく使い、耳にする「ふつう」という言葉。
多数派は「ふつう」で少数派は「特殊」?という栗本さんの問いかけに、
初めのウォーミングアップで行ったようにきちんと自分の意識に目を向けること。
知っているつもりになっていた差別は、人ごとではなく自分の事として向き合っていくこと。
無知・無関心が引き起こす身近に潜む差別を、改めて考え直す必要があると思いました。
私にとって、このワークショップは気づきの多い学習会となりました。