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ある天文学者の恋文

2016年10月29日 | 映画
ある天文学者の恋文
を観ました。


著名な天文学者エドと彼の教え子エイミーは、皆には秘密の恋を謳歌していた。しかし、そんなエイミーの元に突然届いたエドの訃報。
現実を受け入れられないエイミーだが、彼女の元にはその後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続ける。
エドの遺した謎を解き明かそうと、エイミーは彼が暮らしていたエディンバラや、かつて二人で時間を過ごしたイタリア湖水地方のサン・ジュリオ島などを辿りはじめ、そこで彼女が誰にも言えずに封印していた過去を、エドが密かに調べていたことを知るが―。


ジュゼッペ・トルナトーレ監督、エンニオ・モリコーネ音楽のゴールデンコンビな作品です。
トルナトーレは大変好きな監督です。

沢山映画を見る僕ですが、会えてNo.1を上げろと言われたらニュー・シネマ・パラダイスと答えるようにしています。
それくらい僕にとってトルナトーレは特別です。

ただし、前情報無しで観に行ったのでトルナトーレ作品とは知りませんでした。

序盤から叙情的で詩的で説明が少ない感じで始まります。

不倫的な恋人関係の男女エイミーとエド。
教授と生徒という関係性の二人が深く、何処か哲学的に愛し合っているのが伝わります。

そして出張先であっさりと教授は死んでしまいますが、エイミーの元に手紙やメールが届いていたので、
最初エイミーはその知らせに酷く驚き、動揺し信じることが出来ません。
その描写は見事で悲しみの深さの表現も見事でした。

作品を通じて終始エイミーの孤独感が漂っていてとても切ない気分にさせられます。

僕の大好きなヨーロッパの美しい風景もたっぷりと堪能出来ます。
イタリアの舞台もあって嬉しかったです。

それでもまるで生きているかのように届き続けるメールや手紙。
それらはエイミーを守るようで悲しませるようで動揺させるようで。

その仕組を探り始めるエイミーですが、そこからはまるでミステリー映画です。
一体誰が送ってきているのか?手紙はいつ出されたのか?メールの送信元は何処か?
エドの家族はどうしてるのか?
などなどを一つ一つ探っていきます。
なかなか本格的なミステリーな感じでかなり引き込まれます。
恋愛ミステリーって初めて見た気がします。

かなり広範囲に、多くの人々が関わっていて。
それなのに孤独感たっぷりでアーティスティックで独特です。

ただ、何処でもエイミーが爆音で着信音を鳴らすのはちょっとストレスでした。
自分は携帯電話をマナーモードから解除したことすらないので。

自分が愛してやまない天文学の要素もあって、その設定は作品に実にマッチしていて非常に素晴らしかったです。

オルガ・キュリレンコは相変わらず美人で演技もよく雰囲気もあって素晴らしかったです。
美しい体ばっちり披露していますし、仕事はスタントマンなのでアクションも素晴らしいです。
殆どこの人の世界だけの映画なのでその仕上がりは見事です。
俺アカデミー賞主演女優賞候補ですね。

ジェレミー・アイアンズはセクシーなおじさん(おじいさん)って感じで良いですね。
最近チョイチョイ見かけますが、実に作品にマッチしていました。
天文学者の教授にしか見えなかったです。

少々、メールや手紙の仕組みがすごすぎていい加減やりすぎじゃないかな?
コレは流石にありえないでしょう、って気持ちにもなりますが。
描きたい男女の深い愛にはとても感動させられます。

終わり方の爽やかさ、後味の作り方、流石のハイセンスな巨匠です。

とにかく高品質で素晴らしい大人の恋愛映画でした。


そんなわけで8点。
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