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バースデーカード

2016年10月30日 | 映画
バースデーカード
を観ました。


21世紀のキに、子どもと書いて紀子。いま、この時代に、確かに私という人間が存在した、という意味を込め、パパが付けてくれた名前です。
小学生時代のあだ名は「泣き虫のりこ」。引っ込み思案な性格で、クラス対抗のクイズ大会では、パパとママ、弟の正男と家族総出で協力してくれたのに、勇気が出せず一問も答えられませんでした。落ち込む私をいつも励ましてくれるのがママでした。優しくて、明るくて、そんなママのことが大好きでした。
このままずっと隣にいて安心させてくれる、と当たり前のように思っていました。10歳の誕生日までは・・・。
ママは病気に勝てず天国に行ってしまったのです。
ママと過ごす最後の年になってしまった10歳の誕生日。ある約束をしました。それは20歳を迎えるまで私たち姉弟に毎年手紙を贈ること―。
そして翌年、母がいない11歳の誕生日に、本当に手紙が届きました。
“11歳ののんちゃんへ これからのんちゃんが20歳になるまで、毎年手紙を贈るので楽しみにして下さい”
12歳の手紙には美味しいお菓子のレシピが書いてあり、クラスの人気者になれました。
13歳は学校をさぼって映画鑑賞のススメ、14歳はなんとキスの手ほどき!
17歳の時には、初めてママの故郷・小豆島に行き、中学生時代のママを知ることに。行動力があって、私とは大違い。本当に同じ遺伝子が入っているのか心配になるくらい・・・。
19歳の手紙には驚きました。
“・・・実は昨日ママとパパは喧嘩をしました。原因はママが手紙を破り捨てたからです”
19歳の私がどんなことに悩み、どんなことで苦しんでいるのか? 何を書いてあげたらいいのかがわからない、といつも元気なママが苦しんでいたのです。一言だけでもいいから書いて欲しいというパパの気持ちを汲み、素直な気持ちを綴った手紙でした。
そんなママの思いを知り、涙がとめどなく溢れるのでした。
こうして、私に残された手紙はあと1通になりました。
20歳を迎える最後の手紙。
そこに綴られていたのは、初めて知るママの真実。そして、世界一しあわせなサプライズが待ち受けていたのです!


吉田康弘監督作品です。
意外と好みの作品がある監督です。

死んだ母から毎年誕生日にバースデーカードが届くという感動ストーリー。
むむむ?昔”ニライカナイからの手紙”という同じような映画があったような・・・。
あちらはどちらかと言うと沖縄の空気感を売りにしていましたが、今作は純粋な母娘、家族の物語でした。

いやはやなかなかの名画でかなりの感動作でした。
映画館でガッツリ涙を流してしまいました。

非常に優しい家族ドラマでやりすぎておらず足りないわけでもなく。
多少の事件は起きますが、過剰なドラマ性は入れ込んでおらず、
実にいい塩梅のエピソードが次々と織り込まれて行きます。

この手の一人の人間の子供時代から成長して行く様を描くのに、
4人のキャストで描いている時点でなかなか丁寧で力の入れ方がいいなと思いました。
しかもそこそこ納得できるキャスティングでした、それなりに橋本愛っぽい子達でした。

弟役も同じように複数キャストで描かれて居ましたが、最後の須賀健太っぽくて納得出来ました。

この手の作りだと、子役から大人役で急にルックス変わってしまうことがたまにあり、
違和感を感じながら観なければいけない時ってなかなかしんどいのでそれが無くて良かったです。
その辺踏まえて、丁寧に靴られている作品だなと思いました。
作り手がどういう人かわからないですが、繊細で丁寧な人なんだろうなと想像出来て良かったです。

ロケ地も美しい日本の田舎の舞台でとても好みでした。
主人公の家族がキャンプに行くシーンがありますが、非常に美しくて好物でした。

それ以外にも自分がかつて惹かれて旅にも行った小豆島も舞台になっていて良かったです。

実在のクイズ番組、アタック25が物語に大きな役割を抱いて居ましたが、
リアルを織り込んでいるので、芸能人がそのまま芸能人の役で出ていたりして素晴らしかったです。
しかもどこまで忠実かはわかりませんがクイズ番組の裏側ってこんな感じなんだ、と勉強になりました。

コメディ要素はチョイチョイありますが、決して笑える程ではありませんが、
優しい内容にマッチしたちょうどいい優しいコメディでした。

宮崎あおいは若くして死んでしまう母の役でしたが、
この人の母親役って結構たまらないのですよね。
凄い優しいお母さん感出ていてかなり好みです。
刹那的な美貌と儚いイメージも役にあっていました。

橋本愛は普通っぽい良さが売りだと思いますが、その良さを実に活かしていました。
声にあまりボリューム感が無いところが魅力的なんですよね。
物語の主人公にするには薄いキャラクターでしたが、逆にこういう方が自分はハイセンスで好きです。

ユースケ・サンタマリアがまた実に良い優しく不器用なお父さんで。
それでいて深い愛を持っていることは十分に感じさせる素晴らしい演技でした。

須賀健太がまた絶妙に良い役割をするキャラクターで。
紀子の11歳から20歳までの手紙を父が預かって居ますが、実はラストに感動のもう一通があるのですが、
それにまつわる良い役割を果たしていまして。
まあ泣いてしまいました。

橋本愛のラブストーリーの相手が中村蒼でしたが、この子良いですね。
元々なかなか好みの役者で評価してましたが、最近あちこちの作品でかなり見事な脇役をこなしている印象です。
誠実そうな若者ポジションとして最適ですね。
なんとなくかつての小出恵介的なポジションです。

とにかく優しくて感動するお話でした。
どことなく自分の大好きなしあわせのパンみたいな作風でして。

結婚式のシーンとかの感動シーンで感動することは滅多にない自分なのですが、
この映画の結婚式シーンはなかなかの号泣でした。
クライマックスの優しい盛り上がり、誰もが幸せを感じるような優しいエンディング。
終わり方もとても良かったです。
橋本愛の良さが存分に発揮されていました。

正直インパクトは薄い差し支えない演出の仕上がりでしたが、
結構泣けたので高評価です。


そんなわけで9点。

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