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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

うつしみ

2012年11月05日 | 映画
うつしみ を鑑賞。


3人の表現者、写真家の荒木経惟、舞踏家の麿赤児、ファンションデザイナーの荒川眞一郎、それに劇中劇「息を詰めて走りぬけろ」で構成されるドキュメンタリータッチの映像作品。
「息を詰めて走りぬけろ」はおでん屋の男(鈴木卓爾)に処女を捧げたいと思ってる女子高生(澤田由紀子)の物語。
いつも走ってるぶっ飛んだ少女はおでん屋の男に猛烈アタックし、駆け抜けて駆け抜けて遂に処女を捧げるが、そのまま走り去ってしまう。
そんな少女が忘れられなくなった男は今度は少女を追うために走り始める。
追いつけるようになるため走りの特訓を始める。


ってお話。

園子温、非道のオールナイト祭りにて鑑賞。

とことんぶっ飛んだ映画でした。
息を詰めて走りぬけろはホント意味不明でぶっ飛んでるのですが、
男と女の芯みたいのはちゃんと捉えてて、
そこの心臓部分が余りに強く描かれているので、
物語の支離滅裂さや映像の雑さも全てを乗り越える様な情熱的仕上がり。
魂だけが残ってる感じでした。

もう失笑するしかない場面も多々ありますが、
笑いさえも織り込んでそんなもんを全部超越する情熱だけに胸を焦がされました。
とにかく走って走って走り抜ける情熱がめちゃめちゃ伝わりました。

トークショーでエピソードを語ってましたが、
「映画をライバル視してたら表現が狭くなる、
この作品でライバル視したのは何とかっていうAV監督と電波少年」と言ってました。
当時の電波少年は字幕の使い方が見事で、
今のタレントが喋ったことを文字にするのと違ってた、と言ってました。

集音マイクとか全然見切れちゃってるし、キンタマも写っちゃってますが、そんなのもどうでもいい。
こんなんでもいいんだ、と思えた作品らしいです。

コレは女体をテーマにしたらしいですけど、
かなりそれを超える情熱を感じました。

巨大な男性器を抱えて走る男と、巨大な女性器を引いて誘う少女。
松本人志のコントのようなシュールさもありました。

要所要所に差し込まれる3人の表現者達のドキュメンタリーも難解でした。
詩のような字幕が差し込まれて芸術的な要素もふんだんでした。

エロさは、そりゃエロかったです。
何か崇高なエロを感じましたね。

園子温監督の作品は全部二つのタイトルに集約されると自虐的に言ってました。
そのひとつが「息をつめて走りぬけろ」
もうひとつが「地獄でなぜ悪い」
だそうです。
「地獄でなぜ悪い」は来年公開されますが、
今までの全ての作品がこの二つのタイトルのどちらかで行けると言って爆笑を取ってました。
ひどく納得できました。


そんなわけで7点です。


上手く説明できないのですが何か超越してるんですよね。
真の芸術家というか表現者なんですよね、園子温監督は。

共通するのは激情って感じですね。
形式的な言葉や映像で表現できず溢れれでた部分を上手に捉える才能が凄いんだと思います。

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