麦子さんと を観た。
とある田舎町の駅に降り立った一人の女性・小岩麦子(堀北真希)。
アニメショップでアルバイトしながら声優になることを夢見ている彼女は、亡くなったばかりの母・彩子(余貴美子)の納骨のために初めて母の故郷へやってきた。
そこで彼女は出会う人々から次々と「彩子ちゃん?」と声をかけられる。
若き日の彩子と瓜二つである麦子の登場に町の人々は一気に色めき立つ。
何故なら数十年前、彩子は町のアイドル的存在で、町のみんなの憧れの的であった。
偶然にも駅で麦子を乗せたタクシー運転手の独身男・井本(温水洋一)や、妻の夏枝(ふせえり)とともに旅館を営む春男(ガダルカナル・タカ)など、母のファンや母のストーカー、そして母の親友ミチル(麻生祐未)。
いい大人たちが青春時代の続きとばかりに麦子の周りで騒動を巻き起こす。
麦子にとって母は幼い自分とパチンコ屋で働く兄・憲男(松田龍平)を捨てて出て行った最低の母に過ぎなかった。
って話。
今僕が天才と思う吉田恵輔監督作品です。
ばしゃ馬さんとビッグマウスに続き今年度二本目の作品です。
一年に二作も観れるなんて嬉しいですね。
ばしゃ馬さんとビッグマウスが相当名画だったので今作もかなり期待値は高かったです。
しかしいつもと違ってコメディ要素は弱めで吉田恵輔監督らしいカット、独特の編集術は少なめでした。
淡々とまったりと物語は進む感じです。
音信不通だった母が突然現れ一緒に暮らしだしすぐ死んでしまう。
何故母は突然やってきたのか?
という謎。
実にとらえどころが無い柔らかい部分を刺激される様な物語でした。
わかり易い起承転結は無く、観る人が期待する展開にはあまり流れない。
人は物語を観る時に過去の経験則からぼんやりと次のシーンを予測するものです。
しかしこの監督はそこを気付かない程度に少しずつずらす様な実に高度な見せ方をします。
実にハイレベルな見せ方をします。
自然のシーンの撮り方の美しさ、ちょっとした場面転換に挟まれるインサートカットのセンスの良さは際立つものがあります。
堀北真希は問答無用で可愛くて素晴らしかったです。
この物語の特徴でもありますが、主人公が全然主人公らしいスペシャルな要素を持っていない。
人間的にも未熟でこれと言った特技も無く実にリアリティある現代っ子なタイプ。
そんな主人公のほんのちょっとした成長の物語。
余貴美子がなんらかを受賞してもいいような、何らかの受賞に値する様な見事な演技でした。
ただし登場シーンが少なかったので無いでしょうが・・・。
しかし気怠いコレまた物語の柱になるような特別な要素も無く、しかしリアリティ溢れる母親像でした。
大好きな松田龍平は出番少なめでしたが天性の良さは相変わらず出てました。
そんな母子のささやかなほんのり心あたたまる物語でした。
本当にほんのりなので、極端に演出しないからこそ僕のようなハイセンス人間を感動させる素晴らしい深みを作ってました。
母が実は昔アイドルを目指していたってのを大人になった娘が知るというのがちょっとあまちゃんっぽかったです。
映画の終わり方がとても重要だといつも言う僕ですが、
その点に関して吉田恵輔監督はかなりのセンスを持ってます。
今作もラストのワンカットだけで号泣させられるような。
ラストの数分の展開含め、そこで急激に感動させられエンドロールで涙涙となりました。
そんなわけで8点です。
本当にハイセンスな監督さんだと痛感しました。
こういうハイセンスなものを観たいです。
きっと世の中にはこういうのを理解できないローセンスな人が多いでしょうが、
監督もそれをわかっていながらそこを捨てる心意気が大好きです。
とある田舎町の駅に降り立った一人の女性・小岩麦子(堀北真希)。
アニメショップでアルバイトしながら声優になることを夢見ている彼女は、亡くなったばかりの母・彩子(余貴美子)の納骨のために初めて母の故郷へやってきた。
そこで彼女は出会う人々から次々と「彩子ちゃん?」と声をかけられる。
若き日の彩子と瓜二つである麦子の登場に町の人々は一気に色めき立つ。
何故なら数十年前、彩子は町のアイドル的存在で、町のみんなの憧れの的であった。
偶然にも駅で麦子を乗せたタクシー運転手の独身男・井本(温水洋一)や、妻の夏枝(ふせえり)とともに旅館を営む春男(ガダルカナル・タカ)など、母のファンや母のストーカー、そして母の親友ミチル(麻生祐未)。
いい大人たちが青春時代の続きとばかりに麦子の周りで騒動を巻き起こす。
麦子にとって母は幼い自分とパチンコ屋で働く兄・憲男(松田龍平)を捨てて出て行った最低の母に過ぎなかった。
って話。
今僕が天才と思う吉田恵輔監督作品です。
ばしゃ馬さんとビッグマウスに続き今年度二本目の作品です。
一年に二作も観れるなんて嬉しいですね。
ばしゃ馬さんとビッグマウスが相当名画だったので今作もかなり期待値は高かったです。
しかしいつもと違ってコメディ要素は弱めで吉田恵輔監督らしいカット、独特の編集術は少なめでした。
淡々とまったりと物語は進む感じです。
音信不通だった母が突然現れ一緒に暮らしだしすぐ死んでしまう。
何故母は突然やってきたのか?
という謎。
実にとらえどころが無い柔らかい部分を刺激される様な物語でした。
わかり易い起承転結は無く、観る人が期待する展開にはあまり流れない。
人は物語を観る時に過去の経験則からぼんやりと次のシーンを予測するものです。
しかしこの監督はそこを気付かない程度に少しずつずらす様な実に高度な見せ方をします。
実にハイレベルな見せ方をします。
自然のシーンの撮り方の美しさ、ちょっとした場面転換に挟まれるインサートカットのセンスの良さは際立つものがあります。
堀北真希は問答無用で可愛くて素晴らしかったです。
この物語の特徴でもありますが、主人公が全然主人公らしいスペシャルな要素を持っていない。
人間的にも未熟でこれと言った特技も無く実にリアリティある現代っ子なタイプ。
そんな主人公のほんのちょっとした成長の物語。
余貴美子がなんらかを受賞してもいいような、何らかの受賞に値する様な見事な演技でした。
ただし登場シーンが少なかったので無いでしょうが・・・。
しかし気怠いコレまた物語の柱になるような特別な要素も無く、しかしリアリティ溢れる母親像でした。
大好きな松田龍平は出番少なめでしたが天性の良さは相変わらず出てました。
そんな母子のささやかなほんのり心あたたまる物語でした。
本当にほんのりなので、極端に演出しないからこそ僕のようなハイセンス人間を感動させる素晴らしい深みを作ってました。
母が実は昔アイドルを目指していたってのを大人になった娘が知るというのがちょっとあまちゃんっぽかったです。
映画の終わり方がとても重要だといつも言う僕ですが、
その点に関して吉田恵輔監督はかなりのセンスを持ってます。
今作もラストのワンカットだけで号泣させられるような。
ラストの数分の展開含め、そこで急激に感動させられエンドロールで涙涙となりました。
そんなわけで8点です。
本当にハイセンスな監督さんだと痛感しました。
こういうハイセンスなものを観たいです。
きっと世の中にはこういうのを理解できないローセンスな人が多いでしょうが、
監督もそれをわかっていながらそこを捨てる心意気が大好きです。