メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

PK

2016年11月10日 | 映画
PK
を観ました。


留学先のブルージュで悲しい失恋を経験し、今は母国インドでテレビレポーターをするジャグーは、ある日地下鉄で黄色いヘルメットを被り、大きなラジカセを持ち、あらゆる宗教の飾りをつけてチラシを配る奇妙な男を見かける。
チラシには「神様が行方不明」の文字。ネタになると踏んだジャグーは、”PK”と呼ばれるその男を取材することに。
「この男はいったい何者?なぜ神様を捜しているの?」しかし、彼女がPKから聞いた話は、にわかには信じられないものだったーー。
驚くほど世間の常識が一切通用しないPKの純粋な問いかけは、やがて大きな論争を巻き起こし始めるーー。


きっと、うまくいくのラージクマール・ヒラニ監督です。

冒頭、いきなりインデペンデンス・デイみたいに宇宙船がやってきて砂漠みたいなところに降り立って、
全裸の男一人を置いていきますが意外にもその宇宙船には誰も気付きません。
こういう大づかみな非ロジカルな設定って結構大事ですね。

その男が主人公で、もちろん彼が宇宙人ということは信じてもらえない展開になるので。

そしていきなり舞台はベルギーのブルージュへ。
そしてブルージュでありながら歌って踊るボリウッドな展開のラブロマンスに。
自分の苦手なインドの悪ノリといいますか、軽すぎるコメディなあるあるなもので。
一体どんな映画なの??と疑問が芽生えました。

そして失恋して帰国した女の子と宇宙人がインドで遭遇していきます。

ちなみにブルージュは馴染みがありとても好きな街なので、
観ていて懐かしくて泣けてきました。

映画の始まる前に
”この映画はいかなる宗教や思想を否定するものではありません”
みたいな丁寧な注意書きが表示されて、どういうことだろうか?
と疑問に思いましたが徐々にその理由がわかっていきます。

宇宙人という前提の下、全くもってピュアなPKを通して宗教の矛盾をとことん突いて行きます。
地球人が言う神様というものが理解できないPKが必死に神様を探します。
全く知らないので神様は実在する人だと思い込むところから始まります。

そして神様がやたらお金を取る事、金持ちを優先すること、
病気の治療で謎の行為をさせること、恐怖で人をコントロールすること、
などなどかなり核心に迫った疑問を投げかけます。

仏教発祥の地のインド映画なのにかなりヒヤヒヤするような展開でした。
そしてそれは教祖様的な神様の声を聞く人々のポジションを危うくしていきます。
PKはピュアなので決して彼らを責めることはなく、
彼らの神様への電話が掛け間違えていると指摘します。
見事に優しい表現で宗教の矛盾を突いています。

冒頭に注意書きがありましたが、
自分には宗教の持つ危険な部分をとことん指摘して、
それらを正すような内容に思いました。
もっと言ってしまえば宗教や神様の否定とも取れました。

自分は信じる人々のピュアさは尊重しますが、
極度の無神論者です。
なのでかなり痛快な気持ちで見れました。
決して神様を信じるな、宗教活動をするな、とは思いませんが、
世に溢れる個人的な宗教団体はもう少しどうにかした方が良いと思います。

インドにもこういう中小の宗教団体が溢れているのだなと、
日本より信仰心強いから当然だよな、という気づきも頂けました。

PKが人間界のルールを理解できない、馴染めないの展開がなかなかしつこいです。
序盤は正直「もうお腹いっぱい」またこの展開?とげんなりしました。
僕が編集すれば半分の尺で仕上げられそうと思いました。

しかし終盤に大きな感動があり、それはなかなかのスケールの感動だったので、
この手の映画の尺の長さが持つ意味は大きいので結果許せました。

主演のアーミル・カーンはインドでは大スターのようですが、
社会派として非常に国民に影響力を持っているそうですが。
そんな彼がこういう宗教に真っ向からメスを入れるような映画を主演している意味は大きいですね。
キャラクターはかなり独特でチェイスって映画で演じた知的障害者と全く同じようなキャラでした。
非常に小柄ですが鍛え上げられた肉体と演技力は見事です。
インド映画はとことんこってり系でしつこく描写していくことで、
見る人に諦めて認めさせるくらいの作りですね。
彼のキャラがまさしくそんな感じでした。

そしてヒロインのアヌシュカ・シャルマですが、猛烈に可愛いですね!
いつも言っていますが、インド人の美人はめちゃくちゃ美人です。
他にも好きな女優さんは多く居ますが、この子もめちゃくちゃ可愛いです。
世界一に近いくらいの美女だと思います。
演技も非常によく、日本受けの良さそうなルックスなのでいつか日本でも観てみたいですね。
もう自分のラブメイトのトップに来そうなほど好みでした。

インド映画ならではの強引で大掴みな展開に多少萎えながらも、
内容の鋭さはとても引き込まれました。
そして伏線の回収のようなクライマックスにはびっくりするくらいの感動がありました。
ベタな泣かせ泣かせ演出ですが、流石に監督さんの腕が良く、
感動すらも力技で強引に泣かせてくる感じでした。
ヤバいヤバいヤバいってなるくらいに押し寄せる感動でした。

そしてインド映画特有の爽やかなクライマックス。

近年では珍しい2時間半を越える大作ですが、
納得の仕上がりです。

多くの一般的な人には非常にオススメできる感動作です。

インドでこのような内容の映画が大ヒットしていることに世界の変革を感じます。


そんなわけで8点。

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