メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

フェアウェル

2020年10月09日 | 映画
フェアウェル
を観ました。


NYに暮らすビリーと家族は、ガンで余命3ヶ月と宣告された祖母ナイナイに最後に会うために中国へ帰郷する。
家族は、病のことを本人に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。
ちゃんと真実を伝えるべきだと訴えるビリーと、悲しませたくないと反対する家族。葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、逆にナイナイから生きる力を受け取っていく。
思いつめたビリーは、母に中国に残ってナイナイの世話をしたいと相談するが、「誰も喜ばないわ」と止められる。
様々な感情が爆発したビリーは、幼い頃、ナイナイと離れて知らない土地へ渡り、いかに寂しく不安だったかを涙ながらに母に訴えるのだった。
家族でぶつかったり、慰め合ったりしながら、とうとう結婚式の日を迎える。
果たして、一世一代の嘘がばれることなく、無事に式を終えることはできるのか?
だが、いくつものハプニングがまだ、彼らを待ち受けていた──。
帰国の朝、彼女たちが選んだ答えとは?


ルル・ワン監督・脚本です。

劇場予告編を見てなかなかおもしろそうという印象を抱いたので見に行ってみました。

”実際にあったウソの話し”というウィットな始まり。
バイタリティあふれる祖母が末期がんということで親族みんなでそれを隠し通そうとするホームコメディです。

想像してたものとはなかなか違って非常に淡々としたタイプの作風でした。
場面毎の起承転結も無く、何かありそうで無いという静かで遠回しのフェイントみたいな雰囲気でした。
冒頭から主人公の意思を含め、登場人物たちのそれぞれの価値観がありそのイデオロギー闘争が大きなテーマでした。
親族とはいえ、中国、アメリカ、日本と三カ国に分かれて暮らしているので死生観が異なります。

とかく主人公はアメリカ育ちなのでその価値観を中心に描かれます。
末期癌患者に病気を公表しないことが考えられないアメリカ的考えと、ひたすら隠す中国的考え方の間で揺れる主人公です。
ウソをついてまで祖母に楽しく過ごさせようと皆で奮闘します。
そのために日本人の恋人と結婚する従弟。
その結婚式の準備や結婚式にまつわる物語でした。

もちろんドラマなのですがドキュメンタリーみたいな雰囲気のカットが多いです。
なのでストーリー性よりは雰囲気や登場人物たちの人間性描写に比重が寄ってます。

正直このテイストならばもう少し作家性強めて難解でも雰囲気重視しても良い気がしました。

中国の家庭の風景を描くことで親戚文化や食文化や生活スタイルなんかがよく伝わってよかったです。
そういう中国文化や思想を発信するにいい映画だと思います。

クライマックスは意味深系ですが若干物足りなさも感じました。
そこから急に実在のモデルのエピローグって感じでした。
もう少し感動的な仕上がりにもできた気はしました。

主演のオークワフィナは最近ハリウッド大作で結構見かけますね。
インパクトあるルックスでこういう深みのある作品でも良いインパクト残しますね。
個人的にはシンプルに美人のキャストが良い役どころにも思いましたが、結果オーライでした。
中国語と英語の演技で素晴らしかったです。
まだまだ活躍していきそうです。

父親役のツィ・マーもハリウッドで活躍してる人ですね。
渋くていい感じでした。

日本人役の水原碧衣って子は初めて見ましたが中国で活動してるのですね。
こういう人が居ることを知れたのも良かったです。

期待よりはちょっと下回って余り印象に残らないかも知れない映画でした。


そんなわけで5点。
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