メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

許されざる者

2013年09月18日 | 映画
許されざる者 を観た。

明治維新期の北海道。

かつて人斬り十兵衛と恐れられた男(渡辺謙)は愛する妻と出会った事で二度と人は斬らないと誓いひっそりと農家をして暮らしていた。
そこに昔の仲間・馬場金吾(柄本明)が賞金首の話を持ってくる。
北海道の小さな街の遊郭で女郎のなつめ(忽那汐里)が客に顔を切り刻まれた事が許せなかった仲間のお梶(小池栄子)達が敵討を募ったのである。
妻亡き後、二人の子供と貧しい暮らしを送っていた十兵衛は子供たちの暮らしのために再び刀を手にし町を目指す。
町では絶対的な支配者大石一蔵(佐藤浩市)が町へやってくる賞金稼ぎ達の前に立ちはだかり追い払っていた。
十兵衛と金吾の元にはアイヌの若者・沢田五郎(柳楽優弥)が加わり大石の追撃の隙を付いて女郎達の復習を果たす。
それでも人斬りの心を封印していた十兵衛だったが、とある事件をきっかけに人斬りの心を呼び覚ます。


って話。


毎度高品質な映画を作るイメージの李相日監督作品。
李相日は世の中的にも高評価を得るが、僕も高評価する作品が多いです。

今作もらしい非常に高品質でした。

やはり渡辺謙の上手さと存在感はスペシャルですね。
世界に誇れる日本の役者ですね。
立ち回りも素晴らしいし、弱々しい男から怖い男への変わりっぷりも見事でした。

そして柄本明の脇役としての腕も相変わらず超一級でした。

小池栄子、忽那汐里も作品に馴染む素晴らしい演技でした。
忽那汐里がこんなに深みのあるオーラを出せるとは思いませんでした。
きっと監督の演出が良いのでしょう。

僕の好きな柳楽優弥は難しい役どころでしたがとても素晴らしい演技でした。
この子は天性の役者ですね。
替えがきかないスーパーな役者だと思います。

イーストウッドの許されざる者はとても好きな作品ですが、見事なリメイクだったのではないでしょうか。
この作品をリメイクするという企画はとてもいいと思います。

詳細はオリジナル要素が多く、伏線の数も多いです。
登場人物の複雑さも原作以上でした。
しかし物語の大筋は基本原作通りです。
僕の大好きなクライマックスも同じ感じです。

雪の北海道を舞台にしたのは原作の世界観を損なわず、悲愴感を煽るいいアイデアだと思いました。
雪の林の中を馬に乗って進む絵だけで心に来るものがありました。

世の中には優れた物語が沢山あるので無駄に新しい物語を生むよりは、かつての名作をリスペクトして再度人に伝えるのも時には素晴らしいことだと思いました。
ハリウッドではそんなリメイクが多いですが、日本でもそれは大いにやるべきだなと今作で思わされました。
ハリウッドの名作を日本映画でリメイクしていくのはいいと思います。


そんなわけで7点です。


この許されざる者は不思議と人を引き付ける、日本昔話の様な物語である。
引き続き考察してみましょう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マジック・マイク | トップ | 許されざる者 って物語 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。