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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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許されざる者 って物語

2013年09月19日 | 学習・科学
李相日監督、渡辺謙主演でリメイクされた許されざる者を観て改めて思うこの物語の魅力。
イーストウッドの原作で自分が重要と思った要素がそのまま重要なポイントとして描かれていた。

つまりそこは僕も監督同じような感性で感じていたのだなと思い嬉しくもあった。
現在上映中の映画の多少のネタバレも入るが、まあリメイクなのでネタバレも何もない。

ひとつは勧善懲悪ではないということ。
賞金首にされてしまう女郎を切り刻んだ男たちが殺されるほどの悪さをしたとも思えないってのがいい。
この要素のせいでこの物語は非常に印象深い。
沢山映画を観る僕でも記憶に残りやすい。

女を殺して恨まれて賞金首にされるならまだしも、顔を刻んで傷物にしただけ。
それなのに主人公達に無残に殺される所に悪人ながら同情を覚える。
それを察してか日本版ではよりこの賞金首達が悪者に描かれていない。
こいつらを殺すことが正しいのか?と観てる人に思わせる。

それから派生するもう一つの要素。
原作ではモーガン・フリーマン、日本版では柄本明が演じた相棒が一人目を殺した所で心が折れてしまう。
心が折れて仕事を抜けてしまう。
この心境の変化が突然訪れるので観てる人に小さな衝撃を与える。
しかし上記の要素があるから、きっと賞金首を抹殺することに罪の意識を感じたのであろう。
と僕は思う。

そして僕の大好きな要素。
この映画で最も好きなのはやはりラストの決闘である。

原作では保安官、日本版では町の支配者が部下総出で主人公の殺し屋を追い詰めようと作戦を練る。
大人数の男たちが一人の殺し屋を追い詰めるために作戦会議を開く。

主人公に感情移入している観衆からすればいよいよヤバいといった空気感。
しかしその会議の場所に実にしれっとイーストウッドや渡辺謙は自らやってくる。
このしれーーーっと入ってくるシーンがサブイボなのだ。
かっこ良すぎるぜ!なのだ。

自分を捕まえようとする、包囲網を作ろうとしている会議の場に自ら現れ、凄まじい強さで敵を逃し、残った者を皆殺しにしてしまうこのラスト。
コレは痛快なラストである。
このラストが大好きである。

捉え方の難しい物語、
振り切ってない部分で感情を動かす要素がある、
どんでん返しされたと認識しない程度のどんでん返しがある。

だからこの物語は人を引き付けるのであろう。

今回リメイクされて良かったと思った。

こんなテイストのハリウッドリメイクはもっとやって欲しい。
次はセブン辺りをリメイクして欲しいものだね。
黒沢清監督か三池崇史監督あたりで。

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