サンブンノイチ

サンブンノイチ　を観た。


品川ヒロシ監督の3作目ですね。
個人的には前作ふたつは非常に名画だと思っています。

有名な芸人の作品ということで色眼鏡で見られがちですが、映画監督として素晴らしい才能を持っていると思います。
特に前作の漫才ギャングは会話シーンの大半が漫才口調で行われ、
映画としての素晴らしさも兼ね備えながらもお笑いへの熱い気持ちも伝わる名画でした。

今作もその辺の手法は同じ感じです。
ブラックマヨネーズ小杉がメインキャストで入っているので、
そのツッコミ能力で各シーンは非常に引き締まっていました。

純粋にカッコイイ映像を作ろうとするベタなストレートなやり方も嫌いじゃ無いです。

主演の藤原竜也が品川作品にハマるのか？とちょっと不安でしたが、
見事にハマっており、結果コレ以外に正解キャストは無かったのでは？
と思えるほどでした。

田中聖は別の話題でちょっと盛り上がってましたが、
なかなかいいオーラ持った役者さんだと思いました。
このタイミングでジャニーズを辞めれたのは結果オーライになるのでは？
と思いました。
役者としてそこそこ成功しそうな予感を感じました。
その辺を見抜く目も品川監督の抜けた才能ですね。

中島美嘉も元々あまりピンと来てないせいかどうなの？
と思ってましたが見事にハマってましたね。
セクシーで小悪魔でちょっと好きになりました。

元々大好きな窪塚洋介は得意のイカれたぶっ飛んだキャラで非常に良かったです。

こう考えると映像を作るセンスもなかなかですが、
役者を活かすセンスもかなり素晴らしいモノがあります。

そして個人的には何よりも好きなのは何気ない会話のやり取りですね。
若者特有のしょうもない話題のテーマ。

「タバコは外の空気と一緒に吸いたいんだ！」な討論。

僕なんかもこんな会話しますねー。
この辺はクドカンが大きく切り開いた独特な手法ですが、
その辺を見事にこなしてますね。
しかもオリジナリティに溢れてます。

ここまで褒めておいてなんですが品川監督は好感度低いだけあって、
お笑い大好きな僕でも好感度低いです。
それでも認めざるを得ないセンスがあります。
きっと育ちや歩みは遠からず似てるからだと思いますね。

個人的には前作の漫才ギャングがかなりの名画だと思っているので、
残念ながらそれは超えてませんでしたね。

しかしラストの終わり方も大好きです。
弱者達が必死に命がけで這い上がろうとした熱い語りに答える親分の一言ね。
素晴らしかったです。


そんなわけで７点です。


原作を読みたくなりました。
品川が面白いと思ったなら僕も面白いと思えそうです。