メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

北の桜守

2018年03月16日 | 映画
北の桜守
を観ました。


1945年5月、南樺太に住む江蓮(えづれ)家の庭に待望の桜が花開いた。夫と息子たちと暮らす江蓮てつが大切に育てたその花は、やがて家族の約束となる。
しかし8月、本土が終戦に向かう中、樺太にはソ連軍が迫っていた。樺太に残る夫との再会を約束し、てつは二人の息子を連れて網走へと逃げ延びる。
時は流れ1971年、次男の修二郎はアメリカに渡って成功し、米国企業の日本社長として帰国する。
15年ぶりに網走へ母を訪ねると、そこには年老いたてつの姿があった。
一人暮らしが心もとなく思えるその様子に、再び母と共に暮らす決意を固める修二郎。
しかし想いあうがゆえに母子はすれ違いを重ね、立派になった修二郎に迷惑をかけたくないと、てつは一人網走に戻ろうとする。
母に寄り添いたいと願う修二郎は、二人で北海道の各地を巡り、共に過ごした記憶を拾い集めるように旅を始める。
再会を誓った家族への想い。寒さと貧しさに耐え、懸命に生き抜いた親子の記憶。戦後の苦難を共にした懐かしく温かい人々との再会。
幸せとは、記憶とは、そして親子とは。
そして満開の桜の下で明かされる、衝撃の結末――


滝田洋二郎監督作品です。

北の零年、北のカナリアたち、に続く三部作のラストです。
これは吉永小百合映画というジャンルと言って良いでしょう。

映画館の画面に吉永小百合のアップが映るだけで一気に銀幕感が出ますね。
その点では日本一でありかけがえのない存在だと思います。

序盤は戦争シーンなどがあるのですが、ちょいちょい舞台になります。
自分が小学校の頃とか見せられたような王道的ながっつり舞台です。
その辺に妙な懐かしさがありました。

吉永小百合の銀幕感といい舞台演出といい、作品の時代設定とは別で昭和感を感じられる映画ですね。

作品はもちろん北海道が舞台で樺太という場所から始まります。
そしてソ連との戦争になって本当に逃れて暮らすかなり過酷な人生を送った親子の物語でした。

幼少期と大人時代で大きく異なっている要素があり、それがどういうことなのだろう?という上手い引きがあります。
一体子供から大人になるまでに何があったのだろう?と気になりますし、嫌な予感がします。

大人時代はどちらかと言うと堺雅人が主役でボケ気味の母と旅をすることで二人の人生が暴かれていく感じです。
そのへんはちょっとミステリー感もあります。

演出は年配者に優しい感じを意識してる感じでした。
わかり易い展開にわかり易い演出です。
大きな演技でここぞなBGMです。
そのへんはあまり好みでは無いですが、クオリティは上質だったのでクライマックスはそれなりに感動させられました。

滝田洋二郎監督らしく非常に綺麗な絵力の強いシーンもいくつかあって印象的でした。

終盤、人生の放浪の果てにたどり着く寂しい地が北見でした。
カーリングのLS北見にドはまりしている自分は一気にテンション上がりました。
改めて、こんな街から沢山のオリンピアンが出て5人もメダリストが出たのは快挙だと思い感動してしまいました。

主演の吉永小百合は相変わらずかけがいのないレジェンド女優ですね。
若い時代から一人で演じていたのですが、多分若い頃の年齢設定は30代くらいだと思います。
近年の吉永小百合作品あるあるなのですが流石に厳しい気がしますね。
僕世代でも正直吉永小百合の偉大さは理解しきれていないので、綺麗なおばあさんくらいな印象なので、
若い設定をやってるとちょっと痛いって気分にはなります。
逆におばあさんの設定の演技をやらせたらかなり素晴らしいです。
確かに若い美人を演じられる大ベテランでこの役を一人で演じられるのは吉永小百合くらいしか居ない気はしますが。

堺雅人は強気で相変わらずクセが凄いですね。
強気の経営者の役でピンチがちょいちょいありますがその度に顔力で何か言います。
その溜めている時間に今にも「倍返しだ!」を言いそうなくらいでした。

その妻役の篠原涼子がアメリカ帰りのアメリカかぶれな役で。
変な喋り方するし身振り手振りが大きいし。
何かごっつええ感じ時代の篠原涼子を見ているようでした。

その他阿部寛やら佐藤浩市やら実力派が贅沢に起用されています。
吉永小百合の力でしょうね。

なかなか上質な映画で良かったです。


そんなわけで6点。

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