現代の病院事情やイルカに乗ったなど その１

僕は７歳の時バイクに轢かれ足の骨２本骨折と顔と頭を怪我して死にかけ３ヶ月ほど入院したことがある。
それを除くと僕は３０年間の人生、お見舞い以外で病院に行ったことがない。
サッカーで肉離れしたり、膝を痛めて歩けなくなっても、腰痛で動けなくなっても、４０度の熱で気を失っても、持病の頭痛でしょっちゅうゲロを吐いても何故か病院に行くという選択肢は僕の中から欠落していた。
具合が悪いからと自分の足で病院に行ったことが無いのだ。
そして病院好きの現代人の話を聞くと、ジジババさん達が朝早くからTDL級の行列を作っていてうんざりだと皆口を揃える。
それらの逸話も僕の足を病院から遠ざけた理由のひとつであろう。

そんな僕の左腕が先日から腫れだして赤くなり、その中心に大きなこぶができ、痛み始めた。
視覚に訴えてくるこの身体的な異常、何ともいえない痛み、webで調べると腕にできる腫瘍で悪性のものは癌だなんてあちらこちらに書いてある。
マイナス思考の僕は「あーこれは癌か・・・。死ぬかもしれないな。でも生きる事に消極的だった罰だろうし、仕方ない諦めよう。」なんて遺書みたいなもんとか書き始める始末。
いざ死ぬとなったら後始末とか面倒だから今のうちにやっておこう、という几帳面な性格。

そこで問題なのだが、何せ人生で一度も自らの足で病院に行った事がないので、まず何をしたらよいのか？何処へ行ったら良いのか？何科に行けばよいのか？何が必要なのか？いくら取られるのか？全てがわからない。
今やインターネットという便利道具があるのでそいつを駆使してとりあえず総合病院を探し、目処をつけた。

翌日颯爽と病院に行ったのだが、予想通りオドオド、あたふたする。
初診の方用のカウンターに行き
「すいません腕が腫れてしまったのですが何処に行けばよいですか？」
と聞くと、逆になぜそうなりましたか？何て聞いてくる。
何もしてないのに突然腫れましたと答え、では皮膚科にと言われいくつか書類を書かされる。
そして「紹介状はありますか？」と聞かれた。
紹介状ってなんやねん。mixiか。
「紹介状の無い方は初診料2,100円頂きます」
なんや紹介状なかったら来たらあかんのかい。俺は今場違いかい。なんてちょいと理不尽に腹を立てつつ皮膚科へと向かった・・・。

・・・つづく。