メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

現代の病院事情やイルカに乗ったなど その2

2007年01月24日 | 日常の出来事
前回からのつづき・・・。

皮膚科に辿り着き待っていれば呼ばれるのかと思い廊下のソファーに腰を下ろす。
しかし後から来る人は皮膚科の窓口になにやら診察カードみたいなものを入れていく。
おや?おかしいぞと。
俺初めてだからそんなん持ってないぞと。
皮膚科の窓口は基本無人。
勇気を出して窓口で呼んでみる「すいません」と。
すると奥から看護師さんが現れ「どうしましたか?」と
腕が腫れてしまいと言うと、見せろというので見せると、これはひどいみたいなリアクションをして「これ書いてください」とカルテ的なもの渡され書いて渡し、順番が来たら呼びますので座って待っててくださいと言われた。

その通路には皮膚科、外科、整形外科、泌尿器科等の診察室が並んでいる。
そして廊下には出入り口、通路をよけた全ての場所にソファー的なベンチがズラーっと並んでいて、そこにお年を召した方達がズラーっと並んでいた。
一番人気は泌尿器科だ。

僕はたまたま空いていた一番隅っこのベンチに腰を下ろした。

なるほどと思う。
見た目明らかに30歳の僕が最年少だ。
次に若くても55歳くらいだろうか。
ほとんどがお年寄りだ。
オーバー70のTDLだ。
そこから小一時間ばかり待たされるのだが、僕の観察心の導火線には火が点いていた。
待合廊下では毎日こんな光景が繰り広げられているのだろうか?
その一部始終ヒーウィーゴー。

お年寄りたちは毎日来ているのか、お互い病院友達みたいになっている人達が沢山居た。
「○○さん今日は何科ですか?」
「今日は○○科です。」
みたいな。
病院とは暗い場所という先入観が僕にはあったが、気のせいか彼らは皆どことなく嬉しそうだ。
常連達(あくまで憶測だが)すれ違う度にそんなやり取りをする。
そして皆が片手にA4サイズほどの診察ファイルを持っている。
僕にはそれが幼い頃にやったスタンプラリーのシートに見えた。
全ての科をクリアすると素敵な景品が貰えるのではないか?
月間MVPとかあるのではないか?
ついついそんな妄想に駆られてしまう。
まっさらな僕のファイルが少し寂しく見えた。

看護師たちはやたら大きな声で喋る。
バターンと扉を開け、座ってるおばさんに「○○さーん」
「あのねこないだ来てもらったときだけどー・・・かくかくしかじか」
そこに並んで腰掛けている5,60人位の人々の視線は一気にそこに注がれる。
みんな暇を持て余しているので、その看護師の話を自らに置き換えたりでもしているのだろうか。
視聴率はゆうに85%はいっていた。
あの看護師デリカシーにかけるわーと、僕は思った。

足を引きずりながら歩く白衣の先生が僕の前を通った。
『なんや、あんたの足はこの病院で治らんかったんかい。こりゃ期待できないな』
と僕の心。

ホントに診察に来ているのか?と疑いたくなるような小汚い親子。
最初から最後までずっと座っていた。

そしてスピーカーから僕の名前が呼ばれた。
少し恥ずかしい気持ちを抱きながら皮膚科の扉を開けた。

・・・つづく。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。