先週毎月のように不動産屋に家賃を払いに行った。
そして帰り際にこう言われた。
「あのアパート、オーナーさんがもう処分したいそうなんです。なので退居願いなんですが・・・。」
そう、引越しをしなければならなくなったのだ。
大学卒業後フリーターとなり、なんのあても無くこの町へやってきて7年半。
この部屋に住んでから色々仕事を変えてきた事もあり多くの出会いと別れがあった。
気が付けば長くなったもんで思い出いっぱいなのである。
最初は取りあえず成功するまでは・・・なんて気持ちで学生時代の友達とルームシェアをして住み始めた。
近所には当時一緒にバンドをしていた相方も引っ越してきていつも3人だった。
3人共本当貧乏だったから助け合いながら夢を追い、何とか生き延びていたような状況だった。
そもそも友達と一緒に住もうと軽いノリで決めて大学卒業直前に二人で話していて、何となく大きな川の近くがいいね、ってこの町にある駅に降り立った。
初めてこの町にやってきた瞬間である。
とても未知な空気だった・・・。
降り立ったけど二人ともどうして良いかわからず何となく川を見に行って川沿いをのんびりと散歩した。
日も暮れはじめた頃不動産屋をいくつかめぐり変なお兄さんに営業され、でも予定より安い部屋が見つかったので一日で部屋を決めた。
大学の後輩達に引越しを手伝ってもらい、卒業と共にこの部屋に住み始めた。
そして僕らの貧乏青春時代がスタートした。
初めの頃は学生時代の後輩なんかも結構遊びに来て賑やかだったが、やがて3人の時間が増えてきた。
相方はビデオ屋、コンビニ、同居人はコンビニ、俺はカラオケ屋でみんなそれぞれ深夜バイトをしていた。
引っ越してきた年は本当猛暑で、クーラーもカーテンも無い部屋で昼間寝なくてはならなかった。
それは本当に地獄だったなぁ。
扇風機を止めた方が涼しくなるほど部屋の空気は暑かった。
3人で裸で友達が持ってくる映画のビデオを良く見たものだった。
夏には花火を見に行き、旅行に行き、
冬には鍋したり、クリスマスしたり。
いつだってビールとともに。
まーとにかくいつでもすぐ手の届く場所に仲間がいたもんだ。
やがて二人は居なくなり残ったのは僕一人。
その後もバイト先の友達なんかが近所に居たため良く遊びに来たりしてそんなに寂しい思いはしなかったが、でもやっぱり大抵の人生とは学生時代をピークに徐々に話相手が減ってゆくものである。
自分も自ずと、恋人なんかが居なければこの街では本当に孤独な暮らしになってきた。
人生にはいくつものエピソードが付いてまわる。
僕が歩けば僕の後にはいくつものエピソードが連なっている。
いつだって”さようなら”が付いてまわる。
最近は何だか涙脆くなり、バイクに乗りながら良く泣いている。
人生の行く末は7年前と変わらず朦朧としたままだ。
こんなもんじゃない。
こんなもんじゃない。
と呟きつつも、ここへ来た時の目的は果たせぬまま僕は出てゆくのである。
思い出だけは鞄からあふれ出るほどに沢山になってしまったけど。
そして帰り際にこう言われた。
「あのアパート、オーナーさんがもう処分したいそうなんです。なので退居願いなんですが・・・。」
そう、引越しをしなければならなくなったのだ。
大学卒業後フリーターとなり、なんのあても無くこの町へやってきて7年半。
この部屋に住んでから色々仕事を変えてきた事もあり多くの出会いと別れがあった。
気が付けば長くなったもんで思い出いっぱいなのである。
最初は取りあえず成功するまでは・・・なんて気持ちで学生時代の友達とルームシェアをして住み始めた。
近所には当時一緒にバンドをしていた相方も引っ越してきていつも3人だった。
3人共本当貧乏だったから助け合いながら夢を追い、何とか生き延びていたような状況だった。
そもそも友達と一緒に住もうと軽いノリで決めて大学卒業直前に二人で話していて、何となく大きな川の近くがいいね、ってこの町にある駅に降り立った。
初めてこの町にやってきた瞬間である。
とても未知な空気だった・・・。
降り立ったけど二人ともどうして良いかわからず何となく川を見に行って川沿いをのんびりと散歩した。
日も暮れはじめた頃不動産屋をいくつかめぐり変なお兄さんに営業され、でも予定より安い部屋が見つかったので一日で部屋を決めた。
大学の後輩達に引越しを手伝ってもらい、卒業と共にこの部屋に住み始めた。
そして僕らの貧乏青春時代がスタートした。
初めの頃は学生時代の後輩なんかも結構遊びに来て賑やかだったが、やがて3人の時間が増えてきた。
相方はビデオ屋、コンビニ、同居人はコンビニ、俺はカラオケ屋でみんなそれぞれ深夜バイトをしていた。
引っ越してきた年は本当猛暑で、クーラーもカーテンも無い部屋で昼間寝なくてはならなかった。
それは本当に地獄だったなぁ。
扇風機を止めた方が涼しくなるほど部屋の空気は暑かった。
3人で裸で友達が持ってくる映画のビデオを良く見たものだった。
夏には花火を見に行き、旅行に行き、
冬には鍋したり、クリスマスしたり。
いつだってビールとともに。
まーとにかくいつでもすぐ手の届く場所に仲間がいたもんだ。
やがて二人は居なくなり残ったのは僕一人。
その後もバイト先の友達なんかが近所に居たため良く遊びに来たりしてそんなに寂しい思いはしなかったが、でもやっぱり大抵の人生とは学生時代をピークに徐々に話相手が減ってゆくものである。
自分も自ずと、恋人なんかが居なければこの街では本当に孤独な暮らしになってきた。
人生にはいくつものエピソードが付いてまわる。
僕が歩けば僕の後にはいくつものエピソードが連なっている。
いつだって”さようなら”が付いてまわる。
最近は何だか涙脆くなり、バイクに乗りながら良く泣いている。
人生の行く末は7年前と変わらず朦朧としたままだ。
こんなもんじゃない。
こんなもんじゃない。
と呟きつつも、ここへ来た時の目的は果たせぬまま僕は出てゆくのである。
思い出だけは鞄からあふれ出るほどに沢山になってしまったけど。