メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

億男

2018年10月23日 | 映画
億男
を観ました。


兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、図書館司書の一男(佐藤健)は、夜もパン工場で働きながら借金を返済している。
妻・万左子(黒木華)は度重なる借金の返済に苦心し窮屈に生きることしか選んでいない一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまうのだった。
そんな踏んだり蹴ったりの一男だったが、突然宝くじが当たる。
当選金額3億円!これで借金を返せるだけでなく、家族の絆を修復することができるはず。
だがネットを見ると、宝くじの高額当選者たちはみな悲惨な人生を送っているという記事ばかり・・・。
怖くなった一男は、大学時代の親友であり、起業して億万長者となった九十九(高橋一生)にアドバイスを求めることにする。
久しぶりの再会と九十九プロデュースの豪遊に浮かれて酔いつぶれた一男が翌朝目を覚ますと、3億円と共に九十九は姿を消していた──


大友啓史監督作品です。
今の日本映画界では結構ビッグな監督だと思いますが、僕の評価はそこそこです。

なのでそんなに期待値は高くなかったですが、今作はなかなか良かったです。
テーマも映像も物語の描き方も上質でした。

佐藤健と藤原竜也が出ているので若干のるろうに剣心感は感じました。
ただキャラは全然違いましたが。

テーマはガッツリとお金、重々しく素晴らしい深みでそのお金というものの正体を暴いていくようないい内容でした。
下手したら人生観というか世界を見る目が変わるくらいのテーマではありました。
実は自分も最近そういう考えになりつつあってのでいい刺激でした。

なんかアゲアゲなシーンから始まり目覚めると友人の九十九とお金が消えている始まり。

そこから消え九十九を巡る冒険って感じです。
大学時代の親友がその後の10年をどう生きていたか?って回想劇のように描いていく手法です。
関わる人々がそれぞれそに九十九のことを語っていきます。
謎多きというか深みがある九十九という人間を探りつつみんながお金というものの哲学を語っていく感じです。

そして主人公は九十九と過ごした学生時代の日々や彼と行ったモロッコ旅のことを思い出していきます。
そうしているうちに最初はただただ消えたお金に躍起になっていた主人公もお金より大切なものに気付いて行く感じです。

大学の落研で出会った二人、古典落語好きの自分にはすぐわかりますが、映画自体は芝浜ですね。
コレを題材にする作品は多いですね、大好きな福田雄一の明烏もそうでしたし。
主人公も終盤には賢くていい人な九十九が芝浜を仕掛けていることにうすうす感づいている感じで。
それを極限までに真面目に重く感動的にした作品って感じです。

ちょっと極端で大袈裟な描写が多いのは大友啓史監督ならではって感じです。
個人的には大袈裟描写はリアル作品に不自然を与えるのであまり好きではないですが。

モロッコのシーンはずっと素晴らしかったです。
めちゃくちゃ行きたい、って思えるくらいにいい映像で、その映像だけで感動できる程でした。

佐藤健が学生時代は普通なのに現在はかなりモジモジした冴えない感じになっていて。
その役作り、演技は素晴らしかったですね。
不思議と共感して感動させる独特な雰囲気がある役者ですね。

高橋一生が主人公の友人でIT社長の富豪で。
信念が強くてお金よりもその向こうの真実を探るような人生で。
結局彼のこのスタイルが主人公に影響していく物語でした。
吃音のキャラでしたがその役作りも見事で、高橋一生全開でした。
落語もとっても上手でした。

池田エライザが謎な金持ちにしか興味がないとても現実的な女性役でした。
最近すっかり売れっ子でしかも色んな役やりますが、今作もクセの強い役を実に上手にこなしていました。

藤原竜也がゲスい裏表人間でその強すぎるキャラはクセになるくらいでした。
面白かったです。

北村一輝もかなりクセが強くて、変な声でしゃべる関西弁で。
凄い太ったメイクでやっていました。

大好きな沢尻エリカがいい人のようでやっぱりクセが有りました。
ただ相変わらず美人なので全然見れますね。

黒木華が主人公の元妻役で、なんか実にいい感じに疲れた感じで。
言葉少ないけど諸々悟ってる感じは良かったです。

お金にとらわれない生き方をしようって思えるいい映画でした。


そんなわけで8点。

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