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心霊ドクターと消された記憶

2016年05月23日 | 映画
心霊ドクターと消された記憶
を観ました。


娘を亡くし悲しみを拭いきれない精神分析医のピーター。普段の生活を取り戻そうと、患者たちとの面談を徐々に再開し始めた。ある日エリザベス・ヴァレンタインという患者ではない少女がやってきて1枚のメモを残していく。この少女との出会いが全ての始まりだった。
そのメモを調べていくと、自分の患者たちの奇妙な共通点に気づいてしまう。全員、1987年の7月12日にピーターの故郷で起きた列車事故で亡くなっていたのだ。亡霊たちに導かれ、ピーターは20年間封印されてきた秘密を解き明かしに故郷へと向かう。そこで、10代のときピーターは乗客47名が死んだ列車の脱線事故に関与していたことを思い出す。自分の記憶が塗り替えられていたことに愕然とするピーター。さらに、亡霊たちはあの夜の記憶の深淵をピーターに覗かせ、彼は徐々に記憶を取り戻していく。少女が伝えたかった事とは?彼が封印してしまった、忘れなければならなかった記憶とは?


マイケル・ペトローニ監督作品です。

情報無しで観に行きました。
なかなか上質なミステリー・ホラーでした。

冒頭からミステリアス感満載の空気感で気だるい様な悲しさと暗さに満ち満ちていました。

最初はただただ病的な患者さんたちをカウンセリングしてるだけでしたが、とある少女の登場からそれが土台から崩れていきます。
早速などんでん返しでしたが、こういう展開は結構好きなモノです。

とにかく謎めいた少女がめちゃめちゃ謎めいていて。
挙動が不気味で怖くて、フレームアウトするとすぐに姿を消してしまいます。
もう「フレームアウトするといなくなっちゃうよ!」って突っ込みたくなるほどでした。

ささやかなヒントと大きな謎を次々と提供してくる展開にかなり引き込まれました。
そして前半のクライマックスに衝撃の事実が明かされ舞台は故郷に移動します。
それから20年前に起きた大事故がテーマになっていくスムーズさは観心地が良くて上質でした。

ただミステリーの大前提が主人公のとある記憶が何故か消えていることで、それを思い出していく過程に衝撃が走る感じですが。
毎日日記を書いていて記憶を無くすことがほぼ無い自分から行くと全くしっくり来ない設定ではあります。
こんなにインパクト大きい出来事をすっかり忘れてるなんてあるでしょうか?

そしてそれを協力する女性警官が一人で怪しい男に会いに行くのですが、アメリカの映画・ドラマで良くある場面ですが。
例えば羊たちの沈黙みたいな。
ここまで疑いを持ったならば一人で行くのはありえないけど、といつも思ってしまいます。
まあそうしないと物語が展開しないので、女性警官が一人で行くという設定が観てる側に心細さを与えるものですが。
そろそろ新しい設定を考えて欲しいですね。

このテイストの作品だとジャパニーズ・ホラー的な脅かしではなくs忍び寄るような恐怖を描いて欲しかったのですが、いきなりバーン!!の脅かし演出かなり多しです。
その割に途中、かなり呪怨なシーンがありムムムと気になりましたが。

エイドリアン・ブロディは雰囲気十分でいい役者ですね。
こういう病的な役をやっても素晴らしいですね。
どことなく弱々しい感じがこの作品によくマッチしていました。

サム・ニールがこういうホラー作品に出てるのが新しい一面を観た感じでした。
やはりジュラシック・パークのイメージが強いですね。

物語やテーマや空気感は非常に良い感じだったので無駄に思える脅かし演出が作品にチープさを与えてしまっている様に思いました。


そんなわけで7点です。

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