メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ソハの地下水道

2012年10月31日 | 映画
ソハの地下水道 を鑑賞。


1943年、ポーランド。
下水修理と空き巣稼業で妻子を養っているソハ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)は、収容所行きを逃れようと地下水道に繋がる穴を掘っているユダヤ人たちを発見する。
ドイツ軍に売り渡せば報奨金を得られるが、狡猾なソハはユダヤ人たちを地下に匿ってやり、その見返りに金をせしめようと思いつく。
ソハは迷路のような地下水道の構造を最も知り尽くした男なのだ。
ところが子供を含むユダヤ人グループは面倒見きれないほど人数が多く、隠れ場所の移動や食料の調達さえ容易ではない。
おまけに執拗なユダヤ人狩りを行う将校が目を光らせ、ソハの妻子や若い相棒は処刑の恐怖におののいていく。
自らも極度の精神的な重圧に押しつぶされそうになり手を引くことを決心するが時すでに遅し。
同じ生身の人間であるユダヤ人たちに寄り添い、その悲惨な窮状を目の当たりにしてきたソハは、彼らを守るという自分自身も信じがたい茨の道を選ぶのだった。


ってお話。


あまり馴染みのないポーランド映画です。
予告編がちょっと気になってたので観に行きました。
予想以上に名画でかなり感動しました。

実話みたいです。

非常にハイレベルな演出でとてもハイセンスな人間が作ってるのだろうな、と思いました。
予告編で退屈そうな空気感が漂っていて2時間半は仕事帰りに観るのはしんどいかもな・・・と思ってましたが、
冒頭からぐいぐいと引き込まれてあっという間の2時間半でした。
やはりナチスのユダヤ人虐殺ものは緊迫感凄いですね。
緊張感が凄くて全然眠くなったりしませんでした。

金儲けでユダヤ人をかくまうという映画のテーマとしては斬新ですが、
コレがよりリアリティだろうなとも思いました。
1年以上かくまうので情がうつって優しくしたりもしますけど。

映像もシームレスで奥行きがあって臨場感が素晴らしかったです。
黒澤映画のようでした。

主人公のソハ役の人もその嫁役の人も全然美男美女じゃなくて演技派って感じで素晴らしかった。
ソハ役の人は日本で言ったらビートたけし的な。
漂うオーラは全然善人じゃないけど内に秘めた優しさが時々垣間見れる感じがとっても良かったです。

前日観た映画とは逆で演出が適量で素晴らしかったです。
期待させても期待通りにならなかったり。
過剰に煽ったりせずに生々しい緊張感を創りだしてました。

ちょっとネタバレになりますが。
ラストの感動のシーン。
センス無い人間ならばベタに感動的なストリングふんだんな音楽で盛り上げたりするのでしょうが、
ノーミュージックでした。
疲れきって喜べない人たちと、隠れてた人間たちとはまた違った底知れぬプレッシャーから解放され一人大喜びするソハ。
解放された人々たちを必死に祝う。
疲れ闇から出てきて目が見えにくいユダヤ人達との絶妙な温度差とかたまりませんでした。
それが非常に深い感動でかなり泣きそうでした。


そんなわけで8点です。


平和な現代に生きる我々にはソハの行為は当たり前に思えても当時の人達には異常と思われる行為。
人類がいかに歴史を経てきたかを感じずにはいられませんでした。
すごい時代がついこの前まであったのだなぁと、人間って鈍いなぁと思ってしまいます。

過ぎてより平和な時代が来たら、現在もまた異常な時代なのでしょうかね?
又はその逆な未来かもしれないですけど。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。