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ガラスの城の約束

2019年06月28日 | 映画
ガラスの城の約束
を観ました。


1989年、ニューヨーク。ジャネット・ウォールズは「ニューヨーク・マガジン」で活躍する人気コラムニスト。
富裕層が集まるマンハッタン、パークアベニューの瀟洒なアパートメントにファイナンシャル・アドバイザーである恋人、デヴィッドと暮らしている。
ある夜、彼の顧客と高級レストランで会話を交わす中、ジャネットの両親について質問が及ぶ。
「母はアーティストで、父は起業家です。質の悪い漂青炭を効率よく燃やす技術を開発しています」―これは使い慣れた彼女の嘘。
レストランからの帰り道、車道に飛び出してきたホームレスの男性を見かける。
それは、ストリートで自由気ままに暮らす彼女の父・レックスだったが、ジャネットは知らないふりを装う。
何もかもが規定外だった父と母との記憶をたどり出しながら―。
ジャネットの父親はいつか家族のために「ガラスの城」を建てるという夢を持つエンジニア、母親は売れない画家で、彼らは定職につかず理想や夢ばかりを追い求め、自由気ままに暮らしていた。
物理学や天文学などを教えてくれる父・レックスは、ジャネットたち兄弟にとってカリスマ的な存在で、幼いながらも聡明なジャネットのことを彼は「チビヤギ」と呼び、愛情を注いでいた。
しかし、仕事が上手くいかないレックスは次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていく。
やがて、高校生になったジャネットは大学進学をきっかけに、ニューヨークへと旅立ち、両親との関係を断とうとするが・・・。


デスティン・ダニエル・クレットン監督です。

まるで情報無しで見に行きましたが、なかなか強烈な熱量の名画でした。
キャスティングも想像以上に豪華でした。

実在の家族、自伝らしいですがなかなか壮絶なホームドラマです。
夫婦と4人の子供が転々とする、強烈な家族の歴史です。

一言で言ってしまえば強烈なアメとムチです。
破天荒でかなり思想が強くてかなり独特の価値観を持った、ある意味賢いが飲んだくれでヒステリックで働かない父。
そんな父が抱く夢に不思議と洗脳されてついていく家族たち。

母は画家で妄想癖で凄まじい夫婦喧嘩をしながらも父についていく歯がゆさ。
映画を見る誰もが、こんな父、夫はさっさと捨ててしまえばいいのに、としか思えないのですが。

今で言うならば強烈なモラハラで5人の家族を束縛する話で、繰り返しのトラブルなのですが。
不思議とそんな父とずっと過ごす家族たちです。

場面場面の出来事は相当なストレスで、社会的な常識の欠落はすごかったです。
子供にご飯を食べさせない、借金取りから逃げ引っ越しばかり、野宿。
ただ個人的にはこういう常識にとらわれない生き方は全否定出来ないですね。
むしろいつの間に人は社会の常識に洗脳されるのか?とすら思えるほどです。
あまりの繰り返しっぷりに終盤は辟易としますが。

4人兄弟の中で主人公だけは繊細でちょっと特別視されています。
それをわかっている主人公は自分がやらなければ、両親から兄弟を守らなければ的な責任感も強いです。
そして成長し成功したあとには遂に主人公だけが両親と絶縁する決断をして。
それまでに積み重ねた熱量の分だけ開放感やらリセット感は強かったです。

主人公が幼い頃から結婚以降まで描いているので時の経過の感じは強いです。
非常に壮大な家族の物語を観た感じは強いです。
何にせよ兄弟が4人居ることがとても素敵で羨ましかったです。

次女の主人公はブリー・ラーソンが演じていました。
最近完全にブレイクした感じがありますね、話題作に続けざまに出ています。
若い頃から大人になってからを演じていますが違和感なく見れました。
売れっ子なだけあって流石の存在感と演技でした。

強烈な父親をウディ・ハレルソンが演じていました。
この人もベテランになってから急激にブレイクしている印象ですね、吉田鋼太郎さんみたいですね。
毎回色んなクセの強い役をやりますが、今作は中でもピークくらいに強烈なキャラでした。
善と悪の共存の感じ、とても憎らしいけど完全には憎めない感じを上手に表現していました。

母親役はナオミ・ワッツでした。
昔は典型的な美人女優でしたが、もちろん今でも美人ですがいい感じに母親側にシフト出来ている女優さんの一人ですね。
終盤にはホームレスおばあさんのような風貌にもなってなかなか気合の入った役作りでした。

メジャーキャスティングながらインディペンデント臭が強くてなかなか好みの映画でした。


そんなわけで8点。

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