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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

スカイ・クロラ

2008年08月11日 | 映画
スカイ・クロラを観た。

日本アニメーションの巨匠押井守監督の最新作です。

完全平和が実現した世界でショーとして行われる戦争。
そこで戦うのはキルドレと呼ばれる大人にならない子供達。
子供と言っても見た目10代後半くらい。

彼らは寿命では死なないという噂なので死ぬまで空で戦い続ける宿命を背負っている。


(観てから読んでね)

函南優一と言う青年がロストック社の前線基地ウリスに配属されるところから物語が始まる。
基地には四人のパイロットがいた。
そこで謎に満ちた女性司令官の草薙水素(スイトと読む)に出会う。
彼女もキルドレであり、元エースパイロットである。

同部屋の土岐野尚史と日常でも遊びながら空を飛ぶ日々。
土岐野はクールなキルドレパイロット達の中で唯一お調子者的キャラである。

優一は自分に似ていたという前任者の死が気になっている。
噂ではスイトと愛し合っていて、やがてスイトに銃で撃たれて死んだという。
またスイトには妹に見えるくらいの娘がいる。

そんなスイトに優一は不思議と惹かれていく。
スイトも優一に惹かれていく。

そして仲間の一人がティーチャーという敵に打ち落とされ、優一はティーチャーの存在を知る。
最強の敵で唯一キルドレではない普通の大人のパイロットだという。

そんな最中一大プロジェクトが実行される。
あちこちの基地から戦闘機をどんどん合流させながら敵の本拠地を打つ作戦。
この頃に優一とスイトは愛し合うようになる。

そして作戦実行日。
綺麗な編隊を組みながら空でどんどん戦闘機が増えていくこのシーンは超カッコよくて圧巻でした。
また大量の戦闘機が空で打ち合うシーンも超カッコよかったです。

作戦はお互い多くの犠牲者を出し休戦になる。
その作戦で一緒になったかわいいキルドレの三ツ矢碧もその後同じ基地で飛ぶようになる。
三ツ矢は好奇心旺盛な唯一感情的なキルドレである。
そしてスイトを嫌いちょっとした三角関係のようになっていく。

三ツ矢はスイトを殺そうとする、それを優一が止めるがスイトは自殺しようとする。
それを優一が止め
「君は生きろ、何かが変わるまで生きろ」
とメッセージを送る。
スイトは腕がよすぎたために他のキルドレ達より長生きしている。
長生きしている分繰り返しの苦悩に耐えかねていた。
前任者はそのためスイトに殺してもらったらしい。

キルドレは長生きしてしまうが故過去の記憶があまり無い。
優一も以前何処の基地に居たか、この基地にいつ来たかなどの記憶は無い。

スイトのオルゴールは意味深に同じメロディを繰り返している。

そして数日後偵察飛行の際にティーチャーに遭い、優一は
「ティーチャーを撃つ」
と仲間から離れ一人で戦いに行きボコボコに打ち落とされる。

そしてこの後ほぼ台詞は無い。

帰ってくるパイロット達を迎えるスイト。
しかし優一だけいない。

優一を信じてひたすら空を見上げ待つ仲間達。
風の音だけが鳴っている。

最後まで待つスイトもついにフレームアウトして終わり。

かなり秀逸なラストシーンでした。


押井監督の映画は多分全て観ていますが、この映画が一番良かったです。
イノセンスは劇場で見たときあまりの映像のすごさに驚かされましたが、今回は映像美は抑え気味でキャラもアニメっぽくてそれがいい空気感でした。

いつも意味深過ぎて理解に苦しむような映画が多いですが、今回は比較的わかり易く、メッセージ性も強いです。

基本静かな世界でのお話ですが戦闘機のシーンは流石の映像技術に物言わせ大迫力で超カッコいいし、音も素晴らしかった。
静と動がはっきりしていました。

台詞の言い回し、キルドレたちのちょっとした仕草なんかが一々クールでセンス抜群です。

終盤の展開も非常にセンスいいし、ラストシーンは超センスよかったです。

そしてエンドロールの後に優一に似た新しいパイロットがやってきて、少し吹っ切れた表情で
「あなたを待っていたわ」
とスイトが言って映画は終わります。

キルドレたちの愛や死や苦悩が繰り返されていく事が象徴的に言われています。
後を引きます。

そんなわけで8点。
日本のアニメ映画は世界一だと真剣に思えてきます。
映画館で観るに素晴らしい映画だった。

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