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誰も守ってくれない

2009年02月04日 | 映画
誰も守ってくれないを観た。

踊る大捜査線でお馴染みの君塚良一監督・脚本の映画です。

兄が残忍な小学生姉妹殺人事件を犯し、一瞬にして世間から犯罪者家族として扱われるようになった船村沙織(志田未来)。

平凡な日常は一瞬にして崩れていく。

犯罪者家族は世の弾圧によって自殺する人も多いらしい。

それは裁判等に支障をきたすため警察が世間から彼等を保護する事があるらしい。

税金を使って犯罪者家族を守るのは世間に聞こえが悪いので警察はそれを公にはしていない。

そして沙織を守る事になった警察の勝浦卓美(佐藤浩市)。

二人は世間の目や執拗な新聞記者(佐々木蔵之介)や現代のネット社会の闇などの攻撃から逃げる。
ってお話。


(ネタバレ)
急遽警察に踏み込まれる船村家。

メディアの過剰報道のせいで大変な騒ぎに。

家宅捜索を始めるが沙織は勝浦と三島省吾(松田龍平)の二人の警官に守られメディアから逃げる。

しかし何処までも負ってくるメディア。

なぜかハリウッドっぽいカーチェイス。

その頃沙織の母は家宅捜索の最中、警察の目を盗んでトイレで自殺してしまう。

勝浦は3年前、捜査の失敗のトラウマで(薬中の男の追跡中、その男が親の前で幼い男の子を殺した)パニック症のようになっていて精神科医についている。

その精神科医の尾上令子(木村佳乃)の部屋で一晩沙織をかくまう。

しかし母の死を知った沙織はひどく取り乱す。

翌日、勝浦と沙織は伊豆のペンションへ向かう。

そこは3年前に男の子を殺された本庄圭介(柳葉敏郎)と久美子(石田ゆり子)夫婦が経営しているペンションだった。

すがるような気持ちでそこへ逃げ込む。

親切にしてくれる圭介だが、事件の内容を知ると、悲しみが蘇り勝浦を責める。

そしてその隠れ家も沙織自身や沙織の同級生のせいでネットに写真等が流されてしまう。

そしてペンションにも心無い人達の人だかりが出来てしまう。

沙織は迎えに来た彼氏に騙されカメラでライブ中継されたりする。

その非道集団から勝浦は体を張って沙織を守る。

傷ついた二人。

勝浦は沙織に「お前が家族を守れ」と伝える。

沙織は事件の聴取に応じるようになる。

そして勝浦は他の刑事に沙織を任せ、ペンションを去る。

沙織は最後に走りよって「守ってくれてありがとう」と伝える。


(評価)
なかなか難しいテーマの映画でした。

加害者の家族目線で描いていて、それを攻撃する人が悪人の様にも見えてしまいました。

でも被害者家族目線の悲痛な叫びもちゃんと描いているので、落ちどころの無いやりきれなさを抱かされました。

映画的に描くという点では君塚監督は非常に優秀ですが、相変わらず描き方は極端な場面が多かったです。

まるでハリウッドのカーチェイスの様に追ってくるマスコミ。

何処までもついて来る過剰な追跡。

ネットでの写真や情報の垂れ流し。

秋葉系の悪人オタク達の表現。

この辺はもう少しリアルに描いた方が僕は好きです。

きっと伝える為には大げさに表現しなければならないという信念があるのでしょう。
その気持ちはわかりますが、過剰でした。


映画としては導入部からラストシーンまでわかり易く、娯楽と言う言葉で収めるテーマではありませんが秀逸な娯楽映画だと思います。

テーマも良いものを見つけてきたと思います。
非常に悩ましいです。

大衆向け映画では君塚監督作品強いです。

そんなわけで6点。

妥当におもしろいと思います。

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