メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

SHADOW/影武者

2019年09月05日 | 映画
SHADOW/影武者
を観ました。


弱小の沛〈ペイ〉国は、領土の境州を奪った強大な炎国と休戦同盟を結んだが、それから20年、国民はいつまた攻めてこられるかと脅える日々を送っていた。沛国は若き王(チェン・カイ)を筆頭とする平和派と、重臣の都督〈トトク〉(ダン・チャオ)に従う開戦派に分かれていた。
ある時、都督は王の許しを得ず、炎国の楊蒼〈ヤン・ツァン〉将軍に境州での対決を申し込む。王は激怒するが、高貴で知略に富み、国民からも尊敬される都督を前にすると、責める言葉もなくなっていく。先王が早死にし、妹と二人の自分が王位に就けたのも都督のお陰だった。王は矛先を変えて、琴の名手と称えられる都督と妻の小艾〈シャオアイ〉(スン・リー)に合奏を命じるが、小艾は「境州が戻るまで琴は弾かないと天に誓った」と頑なに拒むのだった。
それもそのはず、王の前にいるのは都督の影武者だった。母と生き別れになり、飢えて行き倒れていた8歳の彼を都督の叔父が拾ってきて、影武者へと育て上げたのだ。1年前、都督が刀傷から病になったことを隠すために、いよいよ影武者の登場となったのだが、顔が瓜二つの彼に王さえ騙されていた。境州の奪還計画を進める都督は、影武者に「楊蒼を殺せば、自由の身だ」と約束する。
翌日、影武者は都督の筋書き通り、楊蒼に宣戦した己に厳罰を下すよう王に求める。王は彼を無官にすると、「今後、境州奪還を口にする者は斬首だ」と宣告する。それに対して影武者は、「私はもう一介の民。境州に行き、楊蒼と対決しても、殿とは無関係」と返す。都督の待つ館へ帰った影武者は、どんな相手も三太刀で必殺と言われる最強の楊蒼との対決に向けて、傘を武器にした技を磨くのだった。
王は和平のために、妹の青萍〈チンピン〉を楊蒼の息子に嫁がせようとする。だが、その返事は「姫を側室に迎えたい」だった。「それも一つの手立てだな」と答える王に、我慢も限界となった家臣の田戦〈ティエン・チャン〉(ワン・チエンユエン)が、「殺してやる! 楊父子の野郎め!」と叫び、王に「屈辱に甘んじるなら、殿の代で国は滅びます」と注進する。だが、王の心は変わらず、田戦は官職を解かれるのだった。
「私にも案が」と、特訓に行き詰った夫と影武者に申し出る小艾。女性の身体のように柔らかく傘を使ってみてはどうかというのだ。まさに柔をもって剛を制す、小艾のしなやかな動きが、都督の豪壮な攻撃をかわすことに成功、小艾はその技を影武者に叩きこむ。
約束の日が近付き、各々の思惑が交差していく。小艾は同情が愛へと変わっていった影武者の身を案じ、都督は忠実な家臣である田戦を呼び寄せ、“本当の作戦”を打ち明けて参戦を命じる。王は傷ついた青萍に「捨て石は誰だ?」と意味深な言葉をつぶやく。そして影武者は、都督の館での最後の夜に、小艾にある重大な告白をする。
遂に対決の時が来た。今、影武者は一人で、大軍の待つ敵地へと向かう──。


チャン・イーモウ監督作品です。
大好きな監督です。

毎作非常にスケール感の大きい彼ならではのオリジナリティ溢れる映像、設定、ストーリーですが。
今作はその最たるもののような非常に幽邃な映像と静かにドラマチックに展開する物語でした。

まあ世界中の人々が思い浮かべる中国の風景を完全に最高峰の美しさで見せています。
殆どを白と黒のトーンの映像で見せていてずっと上質な水墨画を見ているようでした。

物語はタイトル通りに王に仕える提督の影武者が主人公で。
提督は王に仕えつつも暴君な王に対して反撃のチャンスを狙っていて、それに影武者を利用していて。
影武者は提督に仕えているようで彼の美しい妻に惹かれているという。

その中で敵国のライバルにもリベンジして奪われた土地を奪い返したいという。
いかにも古い中国の戦略的なやり取りも含まれています。
特別複雑ではなく2つの国だけの争いと国の内部での探り合いなので構図はわかり易いです。

戦闘の訓練をしている最中に傘で戦う事を思いつきそういう武器を作るのですがそれがめちゃくちゃかっこよかったですね。
そしてめちゃくちゃ絵力もありました。

それで敵の陣地を滑りながら進んでいったりそれの刃を飛ばして戦ったり。
かなり痛そうですが。

昔は綺麗なチャン・イーモウ作品でしたが今やすっかり痛そうです。
かなり残虐シーンもありトラウマになりそうなほどめちゃくちゃ痛そうなシーンも多々あります。
主人公がやたらタフなのはこの手の作品では妥当ですかね。

今作はとにかく雨がめちゃくちゃ大きなキーになっています。
雨の美しさと激しさが作品を強く彩っています。
水たまりやら水しぶきなどをめちゃくちゃ印象的に美しく時に残酷に描きます。
水だけで何かを象徴し表現するところまで行くくらい雨の映画でした。
地面に大きく描かれた太極図を上から撮るような印象的なシーンが多くそれも非常に印象的でした。

主演のダン・チャオはイケメンでスタイルもよく素晴らしかったです。
影武者とはいえ全く違う二人を一人二役で演じていました。
アクションもジャッキー・チェンばりに非常に素晴らしかったです。
この大作の主人公に相応しいキャスティングだったと思います。

妻役のスン・リーが美しくて妖艶で。
それでいて武芸にも秀でていてとても素敵でした。

暴君的な王をチェン・カイが演じていました。
かなりの大クセなキャラでしたがとてもいい感じでした。
かなり狡猾で賢くてクールな悪役でした。

その妹役の人がめちゃくちゃ可愛くてかなりタイプで惚れました。
調べて今後追って行きたいですね。

このザ・中国映画という説得力、力強さ。
キングダムとかは中国人キャストでチャン・イーモウに映画化してもらえば、、、なんてちょっと思ってしまいました。

自分の美意識にはかなり響きました。


そんなわけで8点。

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