メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

俺アカデミー賞2016 ランキング10位〜1位

2017年02月18日 | 映画
ちょっと間があいてしまいましたが。
非常に豊作だった2016年の映画のトップ10です。
自分の過去最高の232本の劇場鑑賞した年が豊作で非常に印象深い10本です。

どれもコレも1位にしたいくらい超名画でした。
思い出すとすぐに心を持っていかれてしまうくらい、全部名画です。


10位 ハロルドが笑う その日まで
妻に死なれ仕事も上手く行かず自殺に失敗した家具屋の親父が逆恨みでIKEAの社長を誘拐しようとするお話です。
珍しく観たノルウェー映画でした。
実在の企業、人物をモデルにした人間を作品に登場させると言う、個人的にかなりびっくりな設定でした。
もちろん役者が演じていますが、現地でのIKEAの悪い評判とかを劇中でもそのまま描写しています。
日本でこんな映画が作られる事は無い気がするので非常に斬新でした。
それでいてしっとりとした静かなブラックコメディなテイストでハイセンスで。
何をやっても駄目な男に、何も良いことは無いんですけど、
ちょっとだけ前向きになれるヒントを与えて終わるような。
なんか悩んでいる人に希望を与えるような作品でした。
北欧の美しい風景を見れたのもとても良かったです。




9位 団地
団地に引っ越してきた夫婦、そこに現れる宇宙人、噂ばかりのご近所さん、床下にこもる夫なお話です。
かなり不思議なコメディですが、非常にハイセンスです。
ハイセンス過ぎてついていくのが精一杯なくらいで、コメディもかなり笑えました。
役者の本質の面白さや自然な感じのやり取りを利用していて非常に独特な仕上がりでした。
出ている役者さんたちはみんな素晴らしい出来だったと思います。
クライマックスも凄いびっくりな展開で、それでいてホロッとする要素もあります。




8位 クーパー家の晩餐会
年に一度、唯一家族が集まる恒例のクリスマスパーティーに家族がそれぞれ悩みや嘘を抱えて望む群像劇です。
アイ・アム・サムのジェシー・ネルソン監督ですが、個人的にこの手の群像劇は非常に好みです。
予告で伝わりにくいですが、しっとりとしたハイセンス系映画です。コメディも非常にいいセンスで素晴らしかったです。
なんとも切なくなんとも優しくなんとも悲しくなんともハッピーでした。
こういうアメリカ的な家族の団欒も非常にいいですね。
豪華キャストがそれぞれのエピソードを紡いでそれらが繋がって破綻して。
それから雨降って地固まる的に最後に見事に収束する名画です。
幸せは目の前にあるのに、なんて人騒がせなんだ、みたいなセリフがとっても名言でした。
腰が砕けそうなほど感動的なラストでした。




7位 ヒメアノ~ル
プッツンの同級生で殺人鬼の森田くんに狙われてしまった平凡な若者のお話です。
古谷実原作の名作マンガを大好きな吉田恵輔監督が実写化したのですが、まあ凄かったです。
自分は沢山映画を見てきましたが、その中のサイコキラーの中でもかなり上位に来る本当に怖いサイコキラーでした。
その演技も凄かったし、監督の描き方も凄いです。
この次元で描ききったことは相当素晴らしい仕事です。
ためらいの無さを何度も見させられたので後半怖くて仕方ないです。
殺してカレー食って、もう一人殺してまたカレー食うシーンの怖さがトラウマになりました。
恋愛ドラマ部分のハッピーさもかなりの素晴らしい仕上がりで、サイコ部分の仕上がりも凄くて。
こんな見事なコントラストの映画は初めてかもしれません。
それでいてラストは不意打ちの様に猛烈に悲しい終わり方するのでエンドロール中ずっと泣いてました。
吉田恵輔監督恐るべしな日本映画史に残るサイコサスペンスです。




6位 ディーパンの闘い
スリランカの戦火から逃れるため偽装家族を作ってフランスの郊外に移住して団地の管理人となるディーパンという男のお話です。
もの凄く緊張感に満ちてもの凄く魂揺さぶられる作品でした。
移民文化が薄い我々日本人でもその過酷さ困難は十分に伝わるくらいの非常に生々しい描写に満ちていました。
移住するためだけに集まった見ず知らずの3人の人間が必死に家族のフリをする難しさ、そこに生まれる軋轢。
ただ異国での不安からお互いを頼ったり。
とにかく悲しくて切なくて、それでいて最大級に深い愛も感じました。
家族じゃないから、という気持ちもありつつ一緒に生活していく上で育っていく情の葛藤の描写も見事です。
難民キャンプみたいな場所で必死に集まった3人が本当の家族になっていく様は涙なしでは観れませんね。
そして、クライマックスの大どんでん返しといいますか、ストーリー的じゃ無い大どんでん返しです。
まあ、ディーパン怖いですよー、怒らすと怖いですよー。
2時間近く、いじめられる難民でしたけど、そこからのギャップの痛快さも見事でした。




5位 ふきげんな過去
死んだはずの伯母が突然帰ってきて主人公の女の子と衝突しつつ交流するお話です。
まぁ、ハイセンスな映画で、セリフもイチイチ好みのタイプで。
女性たちのハイテンポな会話シーンもレベル高すぎて嫉妬すら感じる程です。
小泉今日子のだめ女っぷりや、二階堂ふみの冷めてて生意気で哲学的な感じの良さを上手く引き出していました。
仲悪いけど一緒に行動して、そのやることがイチイチ飛んでて面白いです。
それでいて映像の美しさもあってとても素晴らしかったです。
謎の過ぎる伯母の告白に究極に冷めた反応する二階堂ふみの「やっぱり?」は最高でした。
日本映画の良さがふんだんに詰まっている様な作品でした。




4位 家族はつらいよ
三世代同居家族に巻き起こる祖父と祖母の離婚騒動を描いだコメディ映画です。
巨匠・山田洋次監督の久々のコメディでしたがめちゃくちゃ面白かったですね。
東京家族と同じキャスティングでしたが、全然別物です。
このクラスの監督がコレだけハイセンスに遊び心ある作品を撮ったら手に負えないですね。
全てのシーンに日本を感じさせる質感が素晴らしい、本当に日本の家族らしい家族を描きます。
いつも思いますが、海外の人に日本を知ってもらいたいと思ったとき、是非とも山田洋次作品を見て欲しいですね。
コレを観たときは2016年この作品を越える映画に出会うとは思いませんでしたが・・・。




3位 湯を沸かすほどの熱い愛
余命2ヶ月の母が家族に生きる術を残していくような愛の物語です。
まず、今までで一番泣いた映画だったかも、というくらい素晴らしい感動作でした。
劇場があんなに涙で溢れかえっているのも初体験でした。
開始35分位で物凄い号泣シーンが来て、すげー素敵なシーンだけど早すぎないか?と疑問に思ったものですが。
その後も立て続けに幾つも号泣シーンが来るもので、終盤は記憶喪失になりそうでしたよ。
演出的にはインディペンデント系でハイセンス寄りなテイストなのに適度なコメディとストーリーで万人に受け入れられるようないい仕上がりでした。
コレで泣かない人はきっと荒んだ環境で誤った価値観を構築したことの証明なので人生やり直すべきでしょう。
しかしそこまで泣ける映画な煽りしてないのに猛烈に泣かされて参りました。




2位 この世界の片隅に
広島呉を舞台に戦前・戦中・戦後を生きたすずという女の子を描いた物語です。
世間の評価が非常に高く、自分がチェックした各映画品評もので最も多くの1位を取っていたと思います。
王道な戦争映画だと思いますが非常に新しい視点・表現手法でした。
深刻さと怖さはありつつも天然の女の子がそこで健気に生きる姿にフォーカスしてますね。
ファンタジー要素もコメディ要素もあって、単純な感情で見れる作品では無いですね。
自分は子供の頃ははだしのゲンや火垂るの墓などで戦争を学びましたが、個人的には今後はコレがいいと思います。
戦争とは何だったのか、戦時中、戦後、主婦はどうやって家事を成立させていたのか?勉強になりました。
姪っ子との一番悲しいシーンの幻想的な描写が非常に印象的でした。
そしておっとりなすずが終戦を受け入れられないシーンが意外で胸が引き裂かれるような悲しさでした。
そしてラブロマンスでは収められない夫との運命的なエピソード、そこまであからさまじゃなく匂わす見せ方が良い後味をくれました。
「ありがとう、この世界の片隅に、ウチを見つけてくれて」
アレだけ凄まじい時代を生きたすず、そんなすずの最後のセリフ、忘れがたきセリフでした。




1位 君の名は。
田舎の女子高生と都会の男子高生が入れ替わり、千年に一度の彗星を目前に控えたファンタジーの物語です。
言わずと知れた日本映画史を塗り替えた大ヒット作です。
迷いましたが、結果を踏まえてもコレがNo.1で良いでしょう。4回観に行ったし。
思えば最初は封切りの日に観に行きましたが、ここまでヒットするとは。
まだただの1本のアニメ映画でしたがもうジェットコースターに乗せられたような凄い仕上がりにしばらく後遺症になりました。。
予告編を何度も見せられていましたが、新海誠はきっと今までのテイストを捨てて大衆作品に迎合してしまったのだろうと思いこんでいましたが。
大衆様にスケールアップして難しさは無くなったとは言え全然新海誠だったことに驚きました。
それどころか、今までの作品にはあまり無かったスケール感や疾走感があって驚きました。
もうロマンチシズムの最高系で最終型でしょう。
大衆向けになったとは言えターゲットは結構狭そうに思いましたが、こんなにヒットしたのはビックリですね。
日本人は行列してるところに行列しますからね。
ヒットしすぎて冷静な品評が難しくはなりましたが、純粋にかなり好きな物語ですよ。
あんなにロマンチックな男女の出会いがあるでしょうか?あんなにロマンチックな愛の告白があるでしょうか?
スパークルが流れ出した時の絶頂感はそうそう味わえるものじゃないですね。
「ついに時はきた 昨日までは序章の序章で 飛ばし読みでいいから ここからが僕だよ」
新海誠が認知されてとにかく良かったです。
ただふと思うのはコレがこんなにヒットするならば細田守のサマーウォーズにも
コレくらいヒットしても良いような要素はあったけどね、という印象を抱いたのを覚えています。




名作が多すぎて順位付けが難しかった。
どれもコレももう一度観たいものばかりです。
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