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「ごらん、世界は美しい」

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サスペリア

2019年02月02日 | 映画
サスペリア
を観ました。


1977年、ベルリンを拠点とする世界的に有名な舞踊団<マルコス・ダンス・カンパニー>に入団するため、スージー・バニヨンは夢と希望を胸にアメリカからやってきた。
初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大事な演目のセンターに抜擢される。
そんな中、マダム・ブラン直々のレッスンを続ける彼女のまわりで不可解な出来事が頻発、ダンサーが次々と失踪を遂げる。
一方、心理療法士クレンペラー博士は、患者であった若きダンサーの行方を捜すうち、舞踊団の闇に近づいていく。
やがて、舞踊団に隠された恐ろしい秘密が明らかになり、スージーの身にも危険が及んでいた――。


ルカ・グァダニーノ監督作品です。
君の名前で僕を呼んで、でかなり高評価した監督が名作ホラーのサスペリアをリメイクするというのでかなり興味がありました。
ホラーだしR15だし150分以上の尺だし、そそられる要素たっぷりでした。

かなりそそられるインパクト大のロゴ、最初から解説で導入の世界観も強い。
6章からなる物語と解説がありあまりに謎めいた不気味な始まり。
前情報が不足していたので知らなかったのですが、愛してやまないクロエ・モレッツが出ていて嬉しかったです。

時代設定は東西に分断されていた時代のベルリンで不気味さを演出するには良い設定でした。
何やら精神不安定な女の子が何かをしきりに訴えて去っていく。
そこから場面は変わってベルリンで活動する舞踏団に入団しようとする女の子のストーリーです。
研究生のような扱いからあっという間にスターダムへ。

そしてカリスマ振付師が彼女に何か魔法のようなものを施し、彼女が踊ると恐ろしいことが起こる。
相当恐ろしくグロテスクな描写を丁寧にじっくりと尺を使って描写するのは相当独特な作風を醸し出していました。

そこから謎の舞踏団に次々と起こる不気味な出来事と謎の儀式。
トップの人々の政治的軋轢。

そしてその劇団の秘密を追う心理療法士のストーリー。
かなりの老人で弱々しい男性が若い女性たちの舞踏団に挑むかなりいびつな構造でした。

クライマックスは相当壮絶で凄まじいどんでん返しですがもはやそれを超越するある種アートのようなグロテスク。
世界観の強さは凄まじく、相当なサブカルチャー感がありました。

正直ストーリーは支離滅裂で意味不明で冗長的で退屈さすら感じますが、描写のインパクトがすごいです。
これでもか、という壮絶さでした。
R15だけあってグロテスク描写もエロス描写も全く容赦なしでした。

ちょいちょい入る断片的な夢の描写がリングの呪いのビデオみたいでしたが、作品全体の雰囲気も遠くはなかったです。

主演のダコタ・ジョンソンはかなりの名演で世界観によくマッチしていました。
相変わらず可愛くて裸体も見事です。
コンテンポラリーダンスの演技も違和感なく見れて素晴らしかったです。
身体能力がいいですね。

ティルダ・スウィントンは世界観強めの渋い作品で見かける印象がありますが、今作もまさにそれですね。
言葉数が少なくめちゃくちゃ不気味なのですが、善なのか悪なのかわかりにくくて今作のキモでした。
ルックスも佇まいも見事に作品にマッチしていました。

主人公の友人役のミア・ゴスも可愛くて気に入りました。
ルックスもホラーに向いていて彼女の代表作として記憶にとどめておきたいです。

ルッツ・エバースドルフ は心理療法士ですが、敵の恐ろしさを考えると非常に頼りなく。
それが作品へいい塩梅の不安感を与えていました。

大好きなクロエ・グレース・モレッツは特別出演な感じですが存在感は抜群でした。
可愛さを堪能できる程の出番は無かったのでなかなか贅沢な使い方でした。

ちょっと意味不明過ぎましたがインパクトはあり個人的には好みの映画でした。
非常に不気味でしたが、怖さはなかったです。


そんなわけで7点。

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